第7話

「ヨシキ。この判定は?」


「……ユウコでしょ」



煙草を吹かしながら悠然と呟くよっちゃん。


……君だけが味方だったのに。


ガッカリと肩を落とすとシュンがおもむろに立ち上がって「2次会行くぞ!」と号令を掛けた。


その合図をかわきりにあちこちでしめの乾杯の声が聞こえてくる。


シュンは酩酊した眼差しを宙に彷徨わせながら、フラフラと歩き出した。



「ったく。おいシュン。ふらつくな」



よっちゃんは大きな溜め息を吐いてシュンを追っていく。


私も続こうと腰を上げたら、ミワが「ごめん」と一足先に外に駆けていった。


もしかしたらミワも酔ったのかもしれない。


トイレに籠られたら大変だと後を追おうとしたら出口付近で、シュンを抱えたよっちゃんと目があった。



「ミワが」


「ああ。見た。顔面真っ青だった」


「飲み過ぎだよ。ミワもシュンも」


「ユウコがギリギリ入れて嬉しいんだよ」


「ギリギリは余計だよ」

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