第5話
私の予想ではよっちゃんはミワに気があるように見えた。
もうそれはずっとずっと。
シュンと違ってよっちゃんはクールだけど、それでもミワに向けられる目は他の人と違っていた。
私が余計なお節介焼くべきじゃないって分かってるけど……。
「来た来た!ミワ!ヨシキ!」
そうやってボンヤリしていたら隣りのシュンが大きく手を振った。
ざわめくみんなの視線を一気に集めたふたりは広間のドアの前に立ち尽くしたまま苦笑していた。
ミワもよっちゃんも変わってない。
ミワは綺麗なままだし、よっちゃんはぬぼーっとしたまま。
キョロキョロしていたミワがシュンに気付くとホッとしたように顔を歪めた。
「ユウコー。おめでとう」
蹲るように座る1年生達を膝丈スカートから覗く足で掻き分けながらミワが近付いてくる。
片やよっちゃんは黒いニット帽を目深に被ってて、ダルそうにその後に続く。
だけど彼の肩に担がれた花束を見て『もしや』なんてソワソワした。
「と言う事で花束贈呈」
「ありがとう!」
「他の子達は私から愛の欠片を贈呈~」
「ほら」とよっちゃんに手渡された花束に顔を埋めてたら、ミワは振り返ってみんなにウインクしてた。
それを見たシュンは明らかに不貞腐れて口をすぼめる。
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