第4話
謙真。
今思えばそれは自分に相応しい名だと彼はつくづく感じる。
幼い頃は他に名前があった。
上級武士の家に生まれた彼は
時には武士らしからぬ行いもした。
学問所での成績はそれはそれは優秀で、講師達も「後はこの気質だけだ」と常にぼやいていた。
それは謙真自身分かっていたが生まれつきな所はどうしようもなかった。
大人を侮り、知識の無い物を蔑み、荒い言動で周囲の輪を乱す。
そんな彼を心配して両親は神頼みならぬ『名頼み』をした。
真に謙遜なれ。
その願いを託されて十の時、名前を謙真と改めた。
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