第4話 「濡れた果実」

そんなことはさておき、目の前のアトラクションと、ヒナタの笑顔を拝みつつ順番を待つ。


「これでオレたち乗るの6かいめだよな!?ちゃんと挨拶しよーなー!!!?」「だなー!」


俺たちの前に並んだ無駄に礼儀正しい

小学生がなんだか微笑ましくて、見守っていた。


やっと順番が来た。


久しぶりなのもあり、えも言われぬ

高揚感に包まれながらアトラクションに乗り込む。

この、塩素の匂いの懐かしさでくらっとする。


「ひゃっ、さっそくおしり濡れちゃったぁ...笑」


座るタイプのアトラクションだから、

椅子のところにまで水が被っている。


「俺も....びしょ濡れだわ...笑」




『さぁ〜!みなさーん!こんにちはー!

おさかなぶっ飛び⭐︎スプラッシュへようこそ〜!

シートベルトを着用したら〜let's go!

安全確認が終わるまでそのまままっててねー!


......


安全確認終了〜!それでは、みんなでせーの!

「「ぶっ飛び〜!!!!」」』


ばっしゃぁーーん!!!!


威勢のいいお姉さんの声の合図で

放流された俺たちに

早速、洗礼の第一スプラッシュ。


「ひゃあー!!!!!!あはは!!やばい!笑」


ヒナタの無邪気で楽しそうな声が響く。


頭からつま先までいきなりびしょ濡れだ。


そしてヒナタはというと、濡れに濡れて...



「ぉ....!?い...!?!」



俺は声にならない声をあげてしまった。




びしゃびしゃに濡れた半袖白Tシャツが、

ヒナタの肌にこれでもかと張り付き、

ラインをまざまざと俺に見せつけていた。


わずかな透け感だったのに、

透けを通り越してもはや〈身体〉でしかなかった。


そして前に座ったヒナタのブラが

艶めかしい大人を妙に感じさせて、

たまらなく俺は奮い立ちそうなモノを

必死におさえたのだった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る