第3話 「ビショビショ」

乗り終えてびしょぬれになった子どもたちが、きゃあきゃあ言いながら走り回り、かと思うと転んで泣きはじめた。もう滑るから走っちゃだめって言ったでしょ!と母親に叱られている。あほ可愛い。


「ねー、かっぱ...どーする?」


__こちらのアトラクションは、

大変水しぶきがかかりますのでご注意ください。

アトラクション用の有料かっぱもご用意ございます。どうぞご利用くださいませ(お子さま用サイズは一律です)__


「俺もこういう時あんまかかりたくないけど、

今日は暑いし、無しでもいいんじゃないか...?」


「おっけー!♪」


......なんてクールぶって言ってみたものの、

なんだかんだ、遊園地を楽しんでいる俺であった。


そして、密かな願いを込めてもいた。


薄手の半袖白Tシャツを爽やかに着こなすシンプルなヒナタのファッションは、幼なじみの俺しか知らない姿だと勝手に自負している。


シャツからわずかにうっすらと透けるヒナタの肌が、俺の心を刺激して、つい水しぶきを浴びた後の

妄想をはかどらせる。


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