第2話 「童貞の邪念」

おさかなスプラッシュなんたらに並んでいる間も、ヒナタは笑顔を絶やさない。正直...かわいい。


ふと、なぜこんなにもわくわくと、

活き活きと、出来るのだろうと思う。


俺も少しは活き活きと出来ればと思うが、

こんな癖のある性格では到底厳しそうだ。

物事を小難しく考えるわりには、

諦めの早い自分に時々、嫌気がさす。


ヒナタのように、ド!がつく

ストレートになりたいと思うことも多々ある。


「ねぇねぇー、おさかなスプラッシュなんたらってさ、昔もよく一緒に乗ったよねー!?あの時、あたし、ほんとは水かかるの苦手でさー。でも涼しくなるから夏は気持ちよくて、1日に何回も乗った気がする...!」


「ヒナタもおさかなスプラッシュなんたらって呼んでたのかよ笑笑」


「うん、だって別にあんたと乗れたら

あたしはそれでいいもんっ...♪」


「なんだよそれ。嬉しいこと言ってくれるじゃないのー、ヒナター、お前ー、最高ー」


真顔、真顔、真顔、の照れ隠し。

くそダサ童貞の抵抗。無念。

さらっとこういうこと言うから、

俺はいつだって振り回されっぱなしなんだ。


他の男にも言ってるんだろーなーと、

しっかり邪念を巡らせながら順番を待つ。







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