私は黄金剣 ゴールド・ソード・イルリア・メロウ
飯屋クウ
黄金剣 ゴールド・ソード・イルリア・メロウ
私の名前は、ゴールド・ソード・イルリア・メロウ。
巷では、黄金剣と呼ばれているわ。
2000年前、魔王を倒した勇者が私を使っていたの。
でも平和になって、私は封印された。
無造作に、岩にぶっ刺されたのよ!
酷くない!?
私あんなに頑張ったのに、用がなくなったら捨てられちゃったのよ。
人間って、ひどいわ。
私を物として扱うんだから。
でも大丈夫。
私は泣いたりしない。
だって、強いもの。
あら最近世界が騒がしくなったようね。
悪魔でも、復活したのかしら。
あらあら、こんな所に人間がやってきたわ。
私を抜くのかしら?
できるのかしら?
こんなひ弱な人間に私が屈すると思って?
ほら、ご覧なさい。
貴方程度じゃ、私は扱えないわ。
出直して来なさいな。
10年くらいは待って上げるわ。
あらまた他の人間が来たわ。
最近多いわね。
今回の人間はガタイがいいわね。
でも、見た目で判断しちゃいけないわ。
男は中身よ中身。
顔なんて、どうせ老けるんだから。
もう、無理に力だけで抜こうとしないでよね。
私の大事な所が壊れちゃうかもしれないでしょう。
この男はダメね。
デリカシーがないわ。
あぁ、もっと良い男いないかしら。
あら次は…って、げっ、気持ち悪いデブのむさ苦しいオッサンじゃない。
やだやだ、触らないで。
私を抜こうと頑張らないで、どっかいきなさいよ。
あっ、でもこの男、意外と気持ちいい所分かってるかも。
あっ、やばい、このままだと、抜けそう!
あっ!ああーー!!
抜けちゃったわ、私、この人間に抱かれるのかしら(使われるのかしら)。
もぅ、ダーリンったら毎日毎日頑張りすぎぃ。
こんなに求められたら私だって疲れちゃうわ。
そろそろ鍛冶屋に行きましょうよ。
エステで綺麗にしたいのよ。
マネーは、全部私につぎ込んでよね。
他の女はダメよ。
村娘はガキ臭いし、組合の受付嬢は組合長が手を出しているわよ。
同業者の筋肉女は妻として相応しくないし、王女はガバガバよ。
つまり、ダーリンがマネーもハートも注ぎ込むのは私一択なのよ。
だからまずは鍛冶屋にいきましょ♡
最終決戦の前に、防具屋に行くですって。
まぁそれくらいなら浮気じゃないから許すけど、武器屋には行かないでよね。
ちょっとなんで言った傍から武器屋に行くのよ!
なんでなんで嫌だ嫌だ!
私を置いてかないでぇ。
ずっと使ってぇ。
もうマネー使って綺麗にしてとか言わないからぁ。
うわぁーん。
………って、えっ、やだダーリンそれ、もしかして私に?
ダーリンが私に初めてのプレゼント。
やったー!!
わーい!!
超嬉しい!
ありがとう、大切にするわね。
ねぇ、早く開けてちょうだい。
私に見せてちょうだいよ。
わぁ。
これは。
特別な。
私だけの。
サイズにあわせた。
鞘。
あ♡
合体♡
ジャストフィット♡
【完】
私は黄金剣 ゴールド・ソード・イルリア・メロウ 飯屋クウ @QKuuuuu
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