メメント・モリ
「運でございます。人はみな、天から授かった運の星を持っていると申しますが、その星はだれも自分の星がどうなっているかわかりませぬ。しかも、運命という舵をにぎっておりますのは自分自身。いかようにも天命を変えられるのでございます」
ー渡瀬鉄舟、凄腕の始末屋。
生き延びる秘訣を問われて。
木嶋勇太郎は秋月国海軍に長年勤め上げ、幾多の功績を得た。
ある日、新聞のインタビュアーから
「生き残る秘訣はありますか?」
と、問われた彼はこう答えた。
「運が良かった」
イーゴリ・ウデンは帝国から秋月国への移住者で、秋月国初の飛行機による単独飛行を成功させたことで知られる。何故空を飛ぶことを選んだかを聞かれた彼は、こう答えたという。
「鳥が自由に空を飛ぶのは羨ましかった。あれを見て、自分も空を飛ぶ方法ばかりをずっと考えていた」
ガッサーン・ナサールは自分の出身地を解放するために活動していた者だが、秋月国に来た折、親切にしてもらったことを回想して、こう呟いたという。
「秋月国の方々は実に親切で、私が子供の頃のことを話すと、とても興味深そうに聞いてくださいます」
佐藤敏明は生涯を崩壊した国の復興をボランティアで行った人だった。
何故ボランティア活動をしてるか聞かれた彼は、こう答えたという。
「私は既に身内も、妻も失っています。だからもう失うものは何ひとつないのです。やれることを全部やりたいからやっているだけです」
秋月国偉人言行録 今村広樹 @yono
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