☆ですげぇむ☆
飯屋クウ
1ゲーム目
『さぁ、皆様、今宵お集まりいただきありがとうございます!私の名はデスマン!今から始めるデスゲームを主催運営する者でごさいます。皆様は大変困惑していますでしょうが、もう暫くお静かにお願いいたします』
薄暗い部屋。
円卓には5人の男女。
両手両足を椅子に縛られ、立ち上がることはできない。
静かにしろというのには無理がある。
誰も連れてこられた理由に思い当たることがないのだから。
『はい、皆様がお静かになるまで3分かかりました。そう3分です。ラーメンができちゃいます。時間は無限ですが、あまり主催者であるこの私を怒らせないようにお願いしますね。さて皆様にしてもらうゲームは簡単です。私の質問に「デス」と答えるだけです。あぁ間違えました、YESやそうですなどの返答の仕方で問題ございません、はい』
『それではまず加藤さんからいきましょうか』
「説明が足りないんだよクソ野郎、てめぇは何もんだ!?」
『加藤さん、暴言は良くないですよ』
「うるせぇ、てめぇドコに隠れてやがるんだ!出てこいクソ野郎!俺と勝負しろや!てめぇなんか一発KOしてやる!」
ドンッ!!
『やれやれ、全く、まぁデスゲームとしては定石ですけどね』
加藤という男は、円卓中央部から出てきた拳銃によって脳天を撃たれ絶命した。
『皆様もお気をつけください。見て分かるような質問はしないでください。私はここにいるのですから』
「えっ、でも、あなた…人じゃないわ」
『あら樋口さん、貴方もですか?』
「ひぃっ!!」
4人の男女が絶句している者、それは主催者デスマンのことなのだが、彼の見た目は円柱に適当な顔を描いたような人形で、それが口をパクパクさせて喋っているという感じ。
加藤という男は、一般的にいえば間違っていなかったのだが、ここは一般的ではなかった、そういうこと。
『まぁ良いでしょう。これ以上は時間がもったいないですので、このまま樋口さんに質問をしましょうか』
「ひっ!?」
『怖がらくていいですよ。簡単です。貴方は最近、人形を貰ったが怖くなって捨てた。間違いないですか?』
「あ…えっと、はい、そうです」
『ピンポンピンポン大正解でーす!貴方は天国行きでーす!あっポチッとな』
彼にボタンを押す手はない。
たが、ボタンが押されたかのような音がしたあと、樋口という女はポッドのような物に包まれていく。
やがて身体は完全にその機械に覆われた。
「なんだよ!あれ!」
『あれに包まれた者は天国に行けます。包まれない者は加藤さんのように地獄に落ちます。これは簡単なゲームです。YESと答えることができれば天国、答えることができなければ地獄です。OK?』
残りの3人は理解をしたようで頷く。
『皆様が理解してくれたようで、このデスマン感謝感激でごさいます。では、この流れのまま、次は鈴木さん、貴方です。貴方は最近、保存用と観賞用と実用用で
「あ…あぁそうだ、間違いない。だが聞いてくれ、悪気はなかったんだ。少し握りすぎて…」
『ピンポンピンポン大正解でーす!気持ち悪い理由は必要ありませーん!でも貴方は天国行きでーす!はいポチッとね』
鈴木という男もポッドに覆われた。
『さぁ次は、南口さんの前に先に河野さんいきましょうか?貴方は最近、奥さんと喧嘩して娘さんに買ってあげた兎のぬいぐるみを蹴りました。間違いないですよね?』
「は?妻とは喧嘩したが、そんなことあったか?全然覚えてないんだが、まぁあったなら仕方ねーな。すまない」
ドンッ!!
『「すまない」ではないんですよねー。質問の答えになっていませんし、こういう人間がいるから困るんですよ』
河野という男も絶命した。
『さぁ、大トリは南口さん、お願いしますね。天国行きたいでしょう。南口さんにはこの質問です。貴方最近、こけしやだるまといった工芸品を見て気持ち悪いと思いましたか?』
「えっと、はい、思いました、です」
『はは!ではでは、私のことも気持ち悪いですか?』
「いえ、まさかそんなこと、思ってるわけないです!」
『はは、そうですよね』
「はは、そうです」
ドンッ!!
『顔を見れば嘘か本当か分かりますよ。それに嘘はよくない。貴方はちゃんと私のことを気持ち悪いと思ったでしょう』
南口という女は絶命した。
『今回の収穫はたったの2人ですか。なんと少ない』
円柱の身体をクルクルと回しながら、デスマンは見渡す。
『今のままでは、とうてい追いつきません。もっと悪い大人を集めないといけません』
ポッドがプシューという音をたてて開いた。
『出来上がりましたか。では、樋口さんは中指用で、鈴木さんは小指用にしましょう。悪くないですね。しっくりします』
円卓にいたデスマンはそれを1つずつはめていく。
『足も必要ですので、生贄はあと……ふふ、さぁ次のゲームといきましょうか!』
【完】
☆ですげぇむ☆ 飯屋クウ @QKuuuuu
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