第3話 カグヤ博士は火星に帰る
カグヤ博士と助手は月に降り立った。
「月から見る地球は格別だねえ。宝石のように美しいし回転も速い。これは守りたくなるよねえ」
「博士、観光じゃないんですから、早く何かないか探しましょう!」
「あ、これじゃない?」
カグヤは足元でブラックボックスみたいな箱を発見した。中を調べると、信号発信機と文書チップが見つかった。早速解読する。地球で見つけたものと同じフォーマットだったので今度は簡単だった。
「なになに?」
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私(カグヤ)へ
私の計算では6500万年後にあなたがこれを見ているはずです。
私は爆発放射イベントから1年後にこれを書いています。あなたは知っていますか? 地球の太古の人類である私達は、今のあなた達と同じくらい進化をしていたんです。しかし爆発放射イベントを避けることに失敗しました。我々は美しい地球を失ったのです。月に避難しましたが、私達はすぐに絶滅するでしょう。それで私はわずかに生き残った火星の植民地で文明を復活させる計画を立てました。しかし進化には6500万年かかることがわかりました。でも必ず復活させます。
今のあなた達はタイムリープとイベントを回避できるだけの技術を身に付けているはずです。火星からこの月まで来たのですから。お願いです。爆発放射前にタイムリープして、地球だけは救ってください。あなたなら出来るはずです。あなたが誕生するように私が進化プログラムを設計したんですから。
別のファイルに爆発放射を回避する手段を記載してあります。歴史改変は気にしなくてもいいです。私達はもうとっくに絶滅していますので。どうか美しい地球を守って下さい。それでは
カグヤより
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「これは…… そう言う事だったの……」
カグヤ博士は絶滅した古代人の手紙に涙した。
そして火星に帰った。地球を守らねば!
「
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