第2話 カグヤ博士は月に帰る?
―― 1100年前、地球 ――
カグヤ博士と助手が火星から地球へ出張して来た。6500万年前の大異変に地球が耐えた秘密を日本のとある竹林で調査しているのである。
「カグヤ博士、こんな竹林に重要文書があるのですか?」
「私も半信半疑なんだけど、月からの謎の信号源の場所が分らなくて、なんとか解析できたのが地球のこの座標なんだ……あった! これだ」
竹林からメモリーチップを探し出した。探し物は得意だ。
「博士、あれを! 原住民です。見つかっちゃいました!」
おじいさんがカグヤを見ていた。
「あ、あのー私カグヤと言いますー。怪しい者じゃないですよ!」
おじいさんがカグヤを見て言った。
「あんりゃー、べっぴんさん。どうもどうも」
「あはは、こんにちは」
カグヤ達は現地人(日本人)の夫婦と仲良くなり、数日を一緒に過ごした。その間にチップを分析したところ、そこから今度は月の座標を読み取った。博士は口汚く罵った。
「くそー、これじゃスタンプラリーじゃん!」
それでも夫婦に感謝して移動することにした。
「おじいさん、おばあさん、お世話になりました。私達は月に行きますね」
「おやまあ、カグヤは月から来たのかね?」
「……いえ、火星からですが」
「かせい? そりゃどこじゃ?」
助手がカグヤ博士に耳打ちした。
「博士、どうもこの国では火星がまだ知られていないようです」
「ちっ、そうか。じゃあ面倒だから適当に誤魔化そう」
「おじいさん、その通りです。私は月に帰らねばなりません」
「やっぱりそうなんじゃろ、さみしくなるなあ」
博士は泣きまねをする。
「はい、私もです。およよよよ…… さようなら。この御恩は忘れません」
「カグヤや、月でも元気でな」
「ほら、助手! 早く行くよ!」
カグヤ達は月に飛び立った。
おじいさんはこの実話を少し盛って語る事で大もうけした。
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