私と日向
私は自分の席に着くなり隣から小さいが舌打ちがはっきりと耳に届いた。
まさかね、、、
と隣の席に目をやる。そのまさかだった。日向と目があった。
「雨宮さん、忘れずに毎日教科書を持ってきてね?死んでも貴方にだけは貸したくないから。」と周りが聞こえない音量で可愛い笑顔で言い放った。
「分かった!明日から持ってこないね。」と笑顔で挑発したら思い切り睨まれた。
「怒ってても可愛いよ、日向」
「呼び捨てにしないでよ」とガチトーンで言われた。
「幼馴染なんだからいいじゃん」
「ひなの幼馴染はみーちゃんだけだから。あんな事をしておいた貴方なんかが幼馴染だなんて絶対認めないから。」ときっぱり拒否された。
あんな事をしてから更に日向から嫌われるようになって、あれからちょっかいかけても2ヶ月も無視され分かりやすく避けられるようになった。
だから嫌われているのを分かってながらもこうやって話せるだけで嬉しいのが本心。
無視されるよりマシなのだ。
それでも同じ幼馴染なのに異様に私にだけ冷たいのは気に入らない。だから今日は久々に意地悪したくなって、わざと悪い顔を作って日向の弱点を使って、日向を釣る。
「そんな事言っていいのかなぁ〜」
「な、なによ」と警戒心剥き出しにして日向は訊いてきた。
「そんなに私は嫌われてるから仕方ないから今年のみーちゃんの誕生日はみーちゃんと2人きりでお祝いするね⁉︎」と私は小さい声で耳打ちした。
すると周りを気にせず両手で私の腕を強く掴み、今にも泣きそうな顔で悲願してきた。
「やめてよ、意地悪しないで。今の言い過ぎた謝るから、だからお願い!みーちゃんの誕生日は一緒にお祝いさせて」と弱々しくお願いされ、さっきの脅威は何処へやら、と私は呆れた。
みやびになら私が見たい貴方のどんな顔も見れるよね、、、みやびが羨ましいよ、、、
久々に見るその表情を私はたまらずゾクゾクした。
でも、、
そんな顔を見せてもそんな簡単には許したりしないよ。
ふふふっ、こっちは2ヶ月間話し掛けても無視され、避けられ、ラインしても返事ないし、挙げ句の果て家行っても居留守まで使われたのは知ってるんだからね、、
「じゃあ、、、、今日の夜家来て?今日パパ仕事で家に居ないから」
と私はわざと彼女に分かるようにニヤリとして、顔を近づけてそう言って離れた。するとみるみるうちに彼女は青ざめた。
私は興奮してニヤケそうになったが堪えた。
私は日向の事になるとドSになるらしい。
だって怯える顔がとても可愛いから意地悪したくなるんだもん。仕方ないよね、大好きなんだもん。これは愛ゆえの感情だと信じたい、、
「嫌なら来なくていいよ」と更に追い討ちを掛けて冷めた声で言う。
「い、いやじゃないから、だから行かせて」と弱々しくお願いされた。
か、可愛い!その顔2番目くらいに好きよ!もっともっともっとみたいなあ、、、でもこんな人がいっぱい居る教室じゃなくて、私しかいないところで見せてくれないとね、だって、、、日向は私だけの物なんだから。
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運命の人は誰にも渡さない @HITOTOKI12
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