運命の人は誰にも渡さない

@HITOTOKI12

クラス分け事件発生?

「おきて、あーちゃんってば起きてよ」と聞き慣れてる幼馴染の声が耳に届いた。だけど眠くて体が言う事を聞いてくれない。

そのまま寝続けていたが幼馴染は諦める事なく何度も声掛けてくれた。


「ん〜、もうちょっと寝させて」と返事をして、再び夢の中へと戻ろうとしたその時、


「みーちゃん、雨宮を置いてもう行こうよ。私達まで遅刻しちゃうよ。」と私の部屋に来ると思わなかった人の声が耳に届いて、えっ、、と一瞬にして目を覚まし、ベッドから飛び起きた。


「あっ、やっと起きた。おはよう〜」と幼馴染のみやびがニコニコしながら優しい声で言う。


「お、おはよう。なんで2人がいるの?」と私は困惑しながら手で髪の毛を整え、みやびの横に居る人をちらっと見て、みやびに訊いた。


「あー、え〜とね〜ひなたちゃんも一緒に登校したいっていうから連れてきちゃった。」

私が何も言わずにみやびを見つめる。これがいわゆる無言の圧というやつ。すると

「ほ、ほら、今日は入学式じゃん?皆んなで行った方が心強いからね。」と更に言い訳をした。

「そ、それより!ほら早くしないと間に合わないよ?私達は下で待ってるからね!」

と言って階段の下へと日向を連れてささっと逃げた。


私は急いで準備したものも間に合うはずもなく、夜勤明けで帰ってきたばかりの父に頭を下げて学校へと送ってもらい、それでギリギリでなんとか間に合う事ができた。


それから学校を着くなり私達は急いでクラス表を確認した。


「えっ、う、うそ、、、」とクラス表を見るなり隣のみやびが崩れ落ちていた。それでなんとなく全てを察した。

「残念、クラス別々だね。」と私は冷静に彼女に言う。するとみやびは私に抱き付いて大声で泣き始めた。


「嫌だ、嫌だよ、あーちゃんとクラス別々なんて、、、ずっと楽しみにしてたのに、、、」

と更に情調不安定になる。


「もう、そんな事言われても決めたのは私じゃないんんだから、、」と言って彼女を無理矢理自分から引き剥がす。

「分かった!じゃあ、校長先生に抗議してくるね!」と言い、ガチで行こうとするので止める。


「ひ、ひなた、そこから見てないで引き止めるの手伝ってよ!」

さっきからずっと私達をただ見守っていた日向に助けを求めた。するとあたふたしながら一緒にみやびを止めるのを手伝ってくれた。しばらくしてからみやびを

落ち着かせる事が出来た。

日向と一瞬目が合ったがすぐ逸らされた。


「みーちゃん、ひなは隣のクラスだから大丈夫だよ!」と落ち込んでいるみやびに日向は嬉しそうに言う。


「あーちゃんはどこのクラスなの?」と聞こえてないかのように日向を無視し、食い気味に訊いてくる。


「雨宮ならひなと同じクラスだよ」と無視されたのに代わりに日向は答える。

日向ちゃんよ、そのメンタルの強さを分けてほしいぜ、と内心思う。

「良かった〜。休み時間とかに遊びに来るから!浮気しちゃ駄目だからね???うちの代わりに日向ちゃんが見てるからね!」と両手を掴んで強く握られた。


「うん!わかった!監視したくないけど、みーちゃんの為だから頑張るね!」と散々無視されてきたのにみやびによって勝手に私の監視役にされたのにもかかわらず名前を呼ばれて日向は喜んで引き受けていた。













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