第1ー2話:異世界へ(2:回想―1)
鷹見志朗(ワシミ シロウ)はオフィスの会議室で、ホワイトボードの前に立っていた。
今日は、次期物流計画に関する定例会議で、「新規倉庫の建設」を最優先テーマとし、併せて「既存倉庫の効率化」について議論が進められていた。
この会議の具体的な目的は、全国的な輸送ネットワークの増加に伴うキャパシティ不足に対応し、新たな物流拠点の設置や既存拠点の再編を通じて、クライアントの多様なニーズに応える仕組みを構築することである。
現在、全国的な輸送ネットワークの増加に伴い、クライアントのニーズに応えられるキャパシティが不足していることが問題として指摘されており、新たな物流拠点の設置や既存拠点の再編が急務となっている。
机の上には、大手物流会社「エンパイア・ロジスティクス」の次期物流計画の資料が山積みになっており、彼の周りには部下たちが熱心にメモを取っている。
時計を見ると午前11時を過ぎて、会議が始まってすでに1時間が経過していた。
「エンパイア・ロジスティクス」は、国内外で物流業界をリードする大手企業であり、国内の主要都市を結ぶ大規模な配送ネットワークを持ち、世界各国にも物流拠点を展開している。
そして、倉庫管理、配送、在庫管理、輸出入の一括管理までを行う総合物流企業(3PL企業)として、幅広いサービスを提供している。
特に、エンパイア・ロジスティクスは、物流の最適化とコスト削減を得意としており、IT技術を駆使した先進的な倉庫管理システムやリアルタイムでの在庫追跡システムを導入することにより、多くのクライアントから信頼を得ている。
例えば、導入後1年間で在庫管理の精度を30%向上させ、配送時間を20%短縮した事例がある。
また、これらの成果により、商社やメーカー、さらには小売業者とも強固な関係を築いている。
そして、長距離輸送からラストワンマイル配送まで、効率的なサービスを提供し、多様なニーズに応えてきた。
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