ルドは神になりたい
ミオの紹介で川沿いの太陽が沈む方角にある、離れた村に訪れた際に、彼女の話は本当なのだと知る。
少し離れた洞窟にはキョウに良く似た鬼人と花人の夫婦が居たし、ミオに何処となく似た花人の老人に出迎えられた。
そこで私の村で起こった出来事とミオ達の様子を伝えると、村の男達は安心した様子だった。何でも欲を出してミオとキョウの結婚を反対した事を、心底後悔しているのだという。
そしてミオの祖父から半神や鬼人の素質、花人との関係性を聞いた。
内容は大体は同じで半神や鬼人は力を付けていく上で、人々から信仰を得ていくと神格化が進み穢れに弱くなるから、血が駄目になっているのだと言われた。
逆に畏れられていくと例え半神でも悪しき神へと神格化し、人間の血肉がご馳走に思え食欲が沸いてくるのだとも教えられた。何て恐ろしい話だと思った。自分達は半神だから善と決め付け鬼人だから悪と決め付けていたのだ。
今はまだ平和だがもし魔物相手じゃ無く、人々が争うようになったら、半神や鬼人の種族の将来はどうなるのだろうと、お爺さんは遠い目をして言っていた。
ミオの母親と父親から手土産を貰って、礼をしてから私は飛び立った。
私はもっと世界を知りたいと思った。先ずは村で伴侶を得て花人の妻と共に神になったら、永い生命で世界中を飛び回るのも良いかもしれないと思った。
何故なら私には大きな翼が生えているのだから、何処までも飛んで行ける。
…最も、女性と手を繋いだ事すら無い私に、縁談があるのかは不明だが。
黎明期キョウとミオ編② Fin
読み切り版.レイスバース 弥生いつか @yayoiituka
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます