意外な展開
祖父との話し合いが終わり、ミオはその足でキョウの下に向かい結婚の話をする。当然キョウはミオの祖父にミオと口付けしている事が、バレた事に顔面を真っ赤にした。
「そっか…バレちまったか」
「それで…キョウ君は私と結婚する?」
「…ミオは良いのか?」
「…キョウ君以外は考えられないかも」
「…俺も同じだ、結婚するか」
「うん!」
2人は結婚する事を受け入れ、先ずはキョウの家族に挨拶に行こうと洞窟へと向かう。そこでキョウの父と母に報告をすると、目出度くも微妙な顔をされた。
「結婚ねぇ…祝福したい所だけど、受け入れてくれるのかい?」
「?どーいう事?」
「ミオちゃんは村長の孫娘で、結婚相手は次期村長って事になるだろ?そこに余所者のキョウが結婚するってなったら、村の人達は納得してくれるかねぇ?」
「そっか、ミオちゃんは村長の孫娘か…難しいかもしれないなぁ」
「えっ!?私キョウ君以外の人と結婚するのやだ!キョウ君が良い!」
「俺も!ミオが他の人と結婚するのは嫌だ!」
「そうかい、それならいっそ駆け落ちって手もあるかもね」
「ちょっと母さん!」
「駆け落ち?」
「私と夫も村の人達に祝福されなくてね。だからこうして駆け落ちして旅に出て、この村の洞窟まで流れ着いたのさ」
「しかし私は男性だけど女の子のミオちゃんが、長旅をするのはちょっとキツいんじゃないか?」
「まぁそこは若いもんの判断に任せるよ。キョウは立派な男になった、愛する女1人余裕で守れるさ」
「「…」」
キョウの両親の話を聞いて、村人達が反対する事を考えたキョウとミオは、夜の大広場での飲み会での近くの茂みに身を隠して様子を伺う。
そこで村長がミオとキョウが恋仲にある事から、結婚させると言った時に反対意見が出て来たのだ。
「えーミオちゃんの相手って事は次期村長だろ?余所門の鬼人に務まるのかね?」
「それだったら俺が結婚して村長になる!」
「バカモン!本人の意思を大切にせんか!それにミオには弟がいるし、ワシも義理息子まだまだ現役じゃ!」
「でも村長の家族になる事には変わりないだろ?同い年の子はみんなキョウに嫉妬してて、有事の際に纏められると思えないがねぇ」
「同い年と言えば、ウチの娘もキョウに片思いしててなぁ。それならウチの娘と結婚させてやりてぇよ」
「それに今日ミオちゃんが歌って踊った時の植物の成長力、凄かったなぁ。ミオちゃんはこんな辺鄙な村じゃなくて国に仕えた方が幸せになれるんじゃないか?」
「そうだなぁ。あの娘の未来を思うならそれが1番良いだろうなぁ」
「だから本人の意思を尊重せんか!あの子はキョウ君と結婚する事にも納得しとるし、国仕えになる気も無いわい!!」
声を張り上げて主張する村長の声を無視して、好き勝手に発現する村人達にミオが泣きそうになり、キョウはミオを抱き上げてその場を後にする。
川の畔まで行き顔を洗った後、ミオはキョウの胴回りに抱き付き腹部に顔面を埋めた。
「…私、キョウ君以外と結婚するの嫌、だから旅に出る」
「…1人じゃ危険だ、一緒に行こう」
「駆け落ちしてくれる?」
「ああ、明日の朝大事な物を持っていつもの場所に来い。そしてそのまま遠くの土地に行こう」
「うん!」
ミオは笑顔で返事をするとそっと離れて、最後にキスをしてからミオは自分の家へと帰って行った。
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