第5話 寮
「私はツバキです」
「どこかの貴族の使用人か?」
「失礼いたしました。ローズ伯爵家令嬢ツバキです……今はまだ」
「これは失礼した。私は寮長の6回生アベリアです。平民です」
「と言う事は最高学年ですね?アベリア様改めましてよろしくお願いしますツバキです。ご迷惑をお掛けするかと思いますがよろしくお願いいたします」
「いや、あの、私は平民だぞ。頭を下げないでくれ」
「高校内で平民も貴族も関係あるのですか?」
「一応平等となってはいるが……」
「私ではなく家の事でそうみられるのは嫌なので、出来ればツバキと呼び捨てにしてください」
「変わった子だね。分かったわツバキ。お互い仲良くしましょうね」
「よろしくお願いします。私の部屋何処か分かりますか?」
「2階の一番奥の部屋だな。5人部屋だが……使用人は1人か?」
「そうです。今から小さい部屋に変われますか?」
「いや、爵位や成績も加味しているので無理だな」
「分かりましたあとは……」
食堂、食事の時間、外出時間などを聞き、手洗い、風呂は各部屋にある事を確認し、自分の部屋へと向かった。自分で荷物を持って。
「お嬢様荷物は私が運びましたのに……」
「これだけしかない荷物を置いていく方が変よ」
「そういうことにしておきます。お疲れさまでした。これでこの部屋が6年間お嬢様の部屋になりますのね……」
「分からないわよ。途中で平民になるかも」
「それは、ない……ですよね?」
後日学校が始まったが周りはなんか話しかけにくい感じばかりで誰にも話かけられなっかた……。
自己紹介ってないのね。
偶然帰りに一緒になった人が居たから話しかけた。
「あの私、ツバキと言います。同じクラスですよね?良かったら色々お話ししませんか?」
「私はツツジ男爵家のカルミアと言います。よろしくお願いしますね」
「一応私はまだローズ伯爵家です」
「これは失礼いたしました。あの、失礼でなければ一応と未だと言うのは?」
「大きい声では言えませんが私冒険者になりたいのです」
「それは言えないですね。あの安易に人に話さない方が……冒険者って野蛮だと……」
「まあイメージはそうですよね」
「怒らないんですか?」
「本当の事ですから」
このあと話していると、私の部屋に遊びに来てくれることになった。
お迎えしたのはいいが荷物の少なさに驚かれた。
「使用人はお1人?荷物はこれだけですか?」
「そうなのよ。色々有ってね、カルミアにだから言うけど一の妹が病気でお金がかかってね、私には使いたくないらしいの」
「はい?養子とかではないですよね?あっ、ごめんなさいこんな事言って」
「両親の実の子のはずよ。そうだローズマリーなら知ってるよね?」
「お嬢様はご自宅で生まれましたよ。間違いなく実の子です」
なんで嫌われたんだろ?あまり興味ないけどね。
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