君の中の「力」が世界を変える！

第6話 自分の力で世界を変える ～波動の秘密～

　カナとリクは未来の扉をくぐり抜け、自分たちが戻ってきたように見える町の中に立っていた。けれど、何かが違う。町の雰囲気が明るく、道行く人々の顔には笑顔が浮かんでいる。

　「なんだか、いつもと違う気がするね。」リクが不思議そうに呟いた。

　「うん。でも、これって私たちが選んだ未来の影響かもしれない。」カナは嬉しそうに答えた。

　その時、空から再び老人の声が響いた。

　「君たちは、波動というものを感じているんだよ。それは、心や思いが作り出すエネルギーの一種だ。この波動が、君たちの世界を変える力になる。」

　老人は、目の前に現れた泉を指差した。その泉の水面には、カナとリクが怒ったり、笑ったり、悲しんだりする様子が次々と映し出された。そして、その感情に応じて泉の周りの景色が変化していく。

　「見てごらん。君たちの心の状態が、世界にどんな影響を与えるのか。」

　カナが笑うと、泉の水面が輝き、花々が咲き乱れた。一方で、リクが怒ると、水面は濁り、空が曇ってしまった。

　「つまり、僕たちの気持ちが周りに影響を与えているってこと？」リクが驚いたように尋ねると、老人はうなずいた。

　「そうだよ。君たちの内面、つまり心の状態が波動となって広がり、周りの世界に影響を与えるんだ。自分が笑顔でいれば、周りの人も笑顔になるだろう？ それと同じさ。」

　カナはその言葉にハッと気づいた。「じゃあ、自分の心を整えれば、もっとたくさんの人を幸せにできるの？」

　「その通りだ。そして、君たちの心が整うことで、奇跡が起きるんだよ。」

　老人は、エネルギーを整える方法を教えてくれた。それはとてもシンプルなことだった。

感謝の気持ちを持つ

　「何かに感謝すると、心の中のエネルギーが輝き出す。それが波動を高めるんだ。」

深呼吸をする

　「深呼吸をして心を落ち着けることで、自分のエネルギーを整えることができる。」

ポジティブな言葉を使う

　「自分にも他人にも優しい言葉をかけることで、波動がさらに強くなる。」

　カナとリクはその教えを試してみた。カナは「ありがとう」と言いながら、道端の花にそっと触れた。その瞬間、花がより鮮やかに咲き誇った。リクも深呼吸をしながら、「よし、頑張ろう！」と自分に言い聞かせると、体の中に力が湧き上がるのを感じた。

　「これが奇跡なんだね！」リクは目を輝かせながら叫んだ。

　カナとリクは、波動の秘密を知ることで、自分たちの力を信じ始めた。そして、自分の心を整えることで、どんな未来でも実現できることを理解した。

　老人は静かに言った。「君たちはこれからも、波動を整え、世界を変える力を持っている。忘れないでほしい。君たちの思いが世界を動かすんだ。」

　これを聞いた2人は、これからも自分たちの波動を大切にしながら、明るい未来を作り続ける決意を固めた。