第8話  急に彼女に冷める

 安倍屋塔子は僕にとってどうでもいい人間になっていた。


 あの日僕は家に帰ってから自分のスマホの全てのデータを消して初期化をした

ついでにSIMカードもへし折りスマホともどもゴミ箱に捨てたのた。


 あの女の事が沢山詰まったスマホなんて僕には必要がないからだ。


 元々友達が居ない僕にはスマホなんていらなかったと今になってつくづく思う

まあ、中学の時は何人かの友達もいたけど今はどうでもよかった。


「学校辞めようかなつまらんし。どうも最近はネガティブな思考が通常になっている気がする。イヤなっているわ!」


 明日は学校に行って来るか卒業までの最低限の出席日数を担任に教えて貰いに後学級行事や学年行事など意味のない物は欠席する此れは僕の決定事項だ。


 次の日僕が道路に出るとあの女が声をかけてくる。


「貴幸おはよー久しぶりだね元気にしていたかな?」


あー鬱陶しい纏わりつくなよ。


「あ、アンタかなんか用?」


「貴幸どうしたの」


「あ、コレが素の僕だ」


「貴幸本当にどうしたのネインも既読にならないし電話しても継ががらないわよ」


「あ、スマホね使わないから捨てたSIMカードもへし折ってゴミ箱だ」


「えー嘘!」


「いちいち嘘ついて何になる他に用事が無かったらあっちに行ってくれ歩くのに邪魔だからもう話掛けるなよ」


「何よ私が構ってあげないから拗ねているのだろ!」


「あ、イヤまるっきりアンタに興味が無くなった」


「なっ興味……」


「あー面倒くせ」


 教室に入るとみんなからの視線を感じたどうせあの女の事だろう意味のない事をあんな雌の何処が気になるのかね?


 ホームルームが終わり担任が教室を退室する前に僕は先生を引き留めた。


「岡村先生、お聞きしたい事があります放課後でもお時間を取ってくれませんか」


「黒宮か分かったわ放課後まっているぞ」


「ありがとうございます」


僕は先生に頭を下げた。


 最近食欲も無いから弁当も持って来てないペットボトルの水一本だけだ。


 外庭のベンチの背もたれに両腕をかけて空を見る……もう時期夏だな僕の大嫌いになった夏!何で来るんだよ。


「ハァ〜溜息が出るわ」


「やっと見つけた」


「誰だ?ん、アンタか副会長の誰だ名前知らん。で僕になんの用だ。

朝にアンタに言ったよなもう話しかけるなってもう忘れたか?アンタらしい」


「どう言う意味よ」


「そのままだよ。で何?しつこく付き纏って迷惑なんですけど」


「安倍屋君が君を心配している話ぐらいしてあげても良いんじゃないか?」


「そんで男連れて来たの馬鹿らしい

言いたい事あんだろハッキリ言えばいい

自分の事ぐらい言えんだろ」


 貴幸はペットボトルのキャップを外し水を一口飲んだ。


「私は貴幸の事を心配しているのよ」


「何の心配だ!余計な事を言わないようにとかの心配か」


 僕は隠れながら様子を伺ってる出歯亀達に聞こえる様に少し声を張る。


なんて僕は親切なんだろう。


「じゃ僕から副会長さんに進言しよう

まず、目を付けていた女を囲う為に書記見習いなんて馬鹿げた役職を付けて手元に置いたこの女は馬鹿だからすぐに有頂天になった。その時注意をした筈なんだけど聞いていなかったようだ。

そしてこの女は付き合っている人がいるにも関わらず二股浮気をしていた」


「違う!私はそんな事していない」


「まだ!話しの途中だ!聞け!

多分だけど四月の末には身体の関係が出来上がっていたと思う」


ニヤつきながら貴幸は続ける。


「ゴールデンウィークの初めに二人して腕を組み楽しそうにラブホに入って行っていた。高校生が入ったら不味いじゃないか?まあ、親のコネで何とか済んだろういつもの様にね」


「そんな根も葉もない嘘を述べても証拠にはならない」


「副会長さんの言う通りだでもこの女の顔を見てみろよ動揺しまくりだな嘘では無い証拠だろ根が正直者だから嘘が付けないんだよ」


「副会長さんも目を付けていた女も手に入ってその女もイケメンの金持ち坊ちゃんを物にして二人ともウインウインだね」


「僕は末長くコイツの事大事に使ってくれればそれでいいんだ。ただそれだけだ」


「僕の中古ですけど大切にして下さい!

副会長さん!」


「なっ!」


「じゃ時間ですので教室に戻ります」


少しは溜飲が下がったかな。

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