第2話 入試試験

 今日は多良田高校の入試試験日、朝から天気がいい頑張るぞ〜!夏休み前から毎日びっしりと勉強ばかりしていた此れも塔子と一緒に同じ高校に通う為だ。


「もう一踏ん張りだ!」


「そうだよもう一踏ん張りだよ貴幸!

あれ程頑張ったんだから必ず受かるよ」


「そうだよな、ありがとう塔子一緒に高校に行こう!」


 うん!満面の笑みで塔子が答える今日も可愛いぞ。


 高校に近づくと制服姿の人達が増えて来たこの人達が全て僕のライバルと思うと何だか緊張してきた。


「人が多いな」


「あら貴幸緊張しちゃった?」


「ちげ〜よ色んな何処からきてんだなってあれ西中だアソコは東中南中もいる」


「私達は北中だからね流石多良田高ね」


 昇降口で上履きと履き替え試験会場の教室に向かう塔子とは別の教室だった。


「じゃね頑張るのよ貴幸」


「おう、塔子もな」


 塔子は心配ないか、ん?塔子をチラチラ見る奴多くねぇアイドルやってますって言っても皆んな本気にするだろうな。


「なんかそっちの方が心配になってきた」


キンコン〜カンコン〜


チャイムが試験の終了を告げる。


「ふあ〜!鼻から脳味噌が溶け出しそうだまだ明日もあるのか……さっさと帰ろ」


 教室から出ると塔子が待っていてくれていた。男達に囲われて困り果てた顔をしている。


 僕と目が合うと嬉しそうに「貴幸一緒に帰ろう」僕と腕を組んで来た。


 早くこの場から離れたいのだろう明らかに僕の腕に胸を押し付けてきている。

コレはきっと僕に対しての謝礼のつもりなんだろ有り難く受け取っておこう。


 僕達が歩き出すとモーゼの海のように受験生達が道を開け壁際に寄ってくれる。なるほど僕はヤバい奴なのか。


 しかし男達の憎しみの籠った視線が痛いって初めて感じたわヘイト稼ぎ過ぎだよ夜は出歩かない事にしょう。


 僕達はそのまま校舎から出て帰路に着いた。


「塔子さん……」


「何?」


「あの……胸が当たっているのですが……」


「そうよ貴方へのお礼の気持ちよ」


 顔を赤らめるなよ!勘違いすんだろうが!童貞を舐めんなよ!


「あ、ありがとうございます」


「どっか寄って行かない甘い物食べたくなったわ」


「はい!わたくしの脳も糖分を欲しているようです」


「ぷっ、貴幸何敬語で話しているのよ」


「改めて塔子様の人気のほどを間近に目にして小生萎縮してしまいました」


「何、私とでは釣り合わないと思っていない」


思わず僕はハッとした。

きっと僕はそう感じて居るのかと。


「私はね貴幸の隣にいると安心するのよ

コレからもずぅっと一緒にいてね」


これは告白なのか?僕塔子に告られた。


「……はい!喜んで!」


「今の間は何かな?」


「いいえ、ミジンコの僕には身に余る光栄でございます!」


ふっと笑う塔子さんは可愛いかった。


「あそこのケーキ屋さんでお茶しよう」


 僕は塔子に手を引かれお店に入って行く明日も試験あるんだけとなぁ。

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