第3話 無事に合格

 今日は待ちに待った合格発表の日だ顔を洗い朝食を取り塔子が来る前に神棚に手をあわせる。


 どうか合格できる様に塔子と一緒に登校できるようにとお願いした。

お願いするなら試験の前だろうと今更にもなって思った今日この頃だ。


「貴幸いくよ〜」


「おう、いまいく」


「おはよう塔子」


「おはよう貴幸いよいよだね」


「ああ、さっき神棚に手を合わせたよ」


なんで今……


「行きましょう塔子様」


「うむ、よきにはからえ〜!」


朝から馬鹿をやり二人で高校向かった。


 昇降口横には大きな掲示板が立てられ受験番号だけが書かれていた。


「結構番号が飛んでいるぞ僕ヤバいかも」


「あっ!私の番号があった!」


「おめでとう塔子君の合格は間違い無いと僕は思っていたよ」


「ありがとうつぎは貴幸の番ね」


「あるといいなぁ」


 尻窄みになってしまった。もし落ちても明るく帰ろうと強く心に誓った。


456

458

462

465!


「465あったーー!!

やったー!

合格だよ塔子僕やったよ!」


 辛かった日々が思い出され涙が溢れ出してしまった。


「貴幸おめでとう良くガンバりました」


「偉い偉いと僕の頭をなぜるのは辞めてください皆んな見ているよ」


「お姉ちゃんが弟の頭を撫ぜるのは当たり前でしょう」


「いつからお姉ちゃんだ!小学校二年生迄だろう二人で話し合ったんだろうが!」


 兎に角これから二人で同じ高校に通えるんだ。


「帰ってお祝いしなきゃね」


「おう!」



 約半月の準備期間がありその間僕はスッカリと虚弱体質になった身体を鍛える事にした。


 日の出と共に起きて町内のランニング少しずつ距離を伸ばす。

 そして筋トレもやるまあ、腕立て腹筋スクワットだこれも少しずつ数を増やしていく夏には僕の身体はバキンバキンになっているはずだ……予定は未定だ。


 数日後塔子からネインが来た。

《どうせ暇でしょうウチに来なさいよ》

いつもの上から目線だ。


「塔子来たぞ何の用だ電球の交換か?」


「いいから上がって、チョット待ってて」


「おう!」


 テーブルの煎餅を一枚貰って食べていると塔子が2階から降りて来た。


「あっ?」


「ほれどうした余りにも美少女過ぎて声も出ないか?」


「塔子綺麗だ!」


「えっ?」


「写メ撮っていいか頼む撮らしてくれ」


「貴幸なら仕方が無いいいわよ」


「ありがとう!塔子!」


 貴幸はスマホを取り出しパシャパシャ撮り出した。塔子の回りをクルクル回りながら写メを撮りまくっている。


「ほら塔子ポーズだよポーズ!そうそう

素敵だよ!笑顔僕に頂戴!ふ〜う!

いいね、いいね、いいね三つ入りました

後ろから振り向いて!ひゃっほー!

可愛いいぞ!しゃがんで四つん這いになってよ!」


「貴幸、何調子に乗ってるのよ!」


「あっ!ゴメンゴメン!今度は動画ね

いいだろいいよね塔子!」


「分かったわよ綺麗に撮ってね」


「何撮っても塔子は綺麗だよ!」


「エヘッそうでしょう!」


「はい動いて動いてくるくる回って

スカート姿もかわいいぞ!

そのままスカートを持ち上げよう

いいよいいよもっとあげて見よう

可愛い可愛い塔子可愛いぞ!

もっとあげよう!

うひょーーー!!捲っちゃおう!」


「えい!」


「うひゃっーー!!塔子好きだーー!!

…………短パン履いてんのかよ……」


「当たり前でしょう変態くん」


「あい」



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