眠る
日が暮れ、夜が暗幕を垂らした頃、部屋の電気照明を消して体を横たえる。
目を閉じて内と外から光が途絶えることで脳の動きを絶やす。
静寂を見つめて心が凪いでいく。
義務から解放された自由でいて動きのない時間、緊張がほどけ神経系の偏りが取れていく。
微かな衝動に身を任せて寝返りを打つ、人間本来の命らしい欲望。
意識を茫漠とした流れに乗せ、滝に落ちるまでじっと待つ。
無と幻に向かって沈む中、死に還っていく安らぎを覚える。
新たな朝日の訪れと共に微睡みの水面に浮いていく。
不安定でおぼつかない脳が初めの危うさを教えてくれる。
刺激のない無の中で自己治癒した心身が爽やかな感覚を齎す。
一日の開始を告げる陽の光と鳥の鳴き声が意識の準備体操をしてくれる。
終わりまでの距離を測って、緊張の結びを調節した。
デッサン @scrap_123
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