エピソード6「ぽかぽかの昼下がり」

ニャーバスター号は、柔らかなオレンジ色の恒星「ソルナティカ」の周辺を漂っていた。


その星の穏やかな輝きは、遠くからでも温かさを感じさせ、冷たい宇宙空間に心地よい空気を運んでくれるようだった。




ミャクターは今日の航行スケジュールを切り上げ、船内のルーフトップデッキに特製のソーラーカーテンを張った。




「船長、これ、何してるの?」




トビーが不思議そうに尋ねると、ミャクターは尻尾を三本ともゆっくり揺らしながら答えた。




「今日は重要なミッションだ。日向ぼっこだ。」




「えぇっ、それってただのサボりじゃない?」




「サボりじゃない。充電だ。」




ミャクターはきっぱりと言い放ち、トビーをデッキの柔らかなラグの上に誘った。。。




ミャクターが用意したのは、特製の宇宙ハンモックと極上のふかふかクッション。


ラグの上には小さなティーセットも置かれ、香り豊かなカモミールティーが注がれていた。




「船長、なんか贅沢だね。今日は特別な日なの?」




「そういうわけじゃない。ただ、たまにはこういう時間が必要だと思っただけだ。」




ミャクターはそう言いながらハンモックに飛び乗り、三本の尻尾を器用に絡めて体を安定させた。。。




デッキに降り注ぐ太陽光が、二人を穏やかに包み込む。トビーは船長の隣に座り、肩を伸ばして大きくあくびをした。




「船長、なんだかこうしてると、宇宙のことも全部どうでもよくなるね。」




「その感覚が重要なんだよ、トビー。」




「え?」




「宇宙の果てまで冒険しても、たまにこうして何も考えずに太陽の温かさを感じる。それがあるからこそ、また立ち上がれる。」




ミャクターは目を閉じながら、三本の尻尾をふんわりと揺らした。。。




「船長って、いつも忙しそうなのに、こういう時間を大切にするんだね。」


トビーはハンモックの端に手をかけながら小声でつぶやいた。




「お前も知っているだろう。キャプテンというのは常に何かを守らなきゃいけない。だからこそ、自分を守る時間を取ることが重要なんだ。」




トビーはその言葉に少し驚きつつも、なんだか心がぽかぽかしてきた。。。




しばらくして、トビーはラグの上でごろんと横になり、うとうととし始めた。


ミャクターもすでにハンモックで目を閉じている。




「船長、あのさ……」




トビーが寝ぼけたような声でつぶやいた。




「なんだ。」




ミャクターも半分眠りながら答える。




「こういう時間、けっこう好きだよ。」




ミャクターは返事をしなかったが、三本の尻尾がほんの少し動いて、トビーの毛布代わりにそっとかぶせた。




「ありがとう、船長……」




=^_^=エピローグ=^_^=


その後、ニャーバスター号のルーフトップデッキには静かな眠りの気配が漂った。


二人の穏やかな寝息が太陽の光に溶け込み、船は宇宙を漂い続ける。




どこまでも広がる宇宙でも、ぽかぽかの日向ぼっこは最高の贅沢だと、ミャクターもトビーも思っていた。




=^_^=つづく=^_^=

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