エピソード5「船長のお買い物」

宇宙船ニャーバスター号は、銀河系の中でも特に賑やかな惑星、マーケット・オーブに向かっていた。ミャクター船長が突然「寄り道するぞ」と言い出し、トビーは驚きつつも興味津々だった。




「船長、急にどうしたの?予定にはなかったよね?」


トビーはコックピットで控えめに尋ねた。




「たまにはこういうのも必要だろう。」


ミャクターは淡々と答えると、尻尾を三本とも悠然と揺らしながら銀河地図を閉じた。




「それに、ちょうどいい品物を見つけるためにはタイミングが大事なんだ。」




「品物?」


トビーの好奇心のアンテナがピンと立った。




=^_^=マーケット・オーブ到着=^_^=


マーケット・オーブは一大商業惑星だ。あらゆる種族が集まり、通りには色とりどりの露店が軒を連ねている。スパイス、機械パーツ、珍しいペット、そして意味不明なガジェットまで、見て回るだけでも楽しい。




「すごい!船長、こんな賑やかな場所に来るなんて珍しいね。」


トビーは目を輝かせて辺りを見回した。




「お前の遊び場じゃない。オレについて来い。」


ミャクターは一直線に露店の列を歩き始めた。




「で、船長は何を買うつもりなの?」




「それは見てのお楽しみだ。」




=^_^=意外な買い物=^_^=


ミャクターが足を止めたのは、地味な小さな店だった。看板には「ギャラクシー・グリーンズ」と書かれている。トビーは首をかしげた。




「え、ここ?野菜とか植物ばかりじゃん。」




「その通りだ。」


ミャクターは満足げに頷くと、店主に声をかけた。


「おい、例のブツはあるか?」




店主は目を細め、店の奥から慎重に何かを運び出してきた。それは小さな鉢植えだった。




「これが最新の収穫品、『エターナルキャットニップ』だ。希少品だぜ。」




「キャットニップ!?」


トビーは驚いた。




「船長、これを買うためにここまで来たの!?」




=^_^=ミャクターの理由=^_^=


「このエターナルキャットニップは、ただの草じゃない。極上のリラックス効果があるんだ。」


ミャクターは丁寧に鉢植えを抱えた。その表情は珍しく穏やかで、トビーは驚いた。




「船長がリラックス?そんなの初めて聞いたよ!」




「お前、オレが毎日どれだけ気を張ってるか知らないだろう。キャプテンというのは楽じゃないんだ。」




トビーはハッとした。確かに、ミャクターはいつも冷静で頼もしいが、その裏でプレッシャーを抱えていることは想像もしていなかった。




船に戻ると、ミャクターは買ったキャットニップを船内の目立たない場所に置き、優しく手を当てた。




「いいか、トビー。この船を守るのはオレだが、オレを守るのはこういう些細な癒しだ。」




「船長…」


トビーは初めて見るミャクターの優しい姿に、胸がじんと熱くなった。




「それに、このキャットニップはお前にもいいかもしれないぞ。ほら、匂いを嗅いでみろ。」




トビーは恐る恐る匂いを嗅いだ。ふんわりと心が落ち着く香りが漂い、思わず笑みがこぼれた。




「なんだか、ほっこりするね!」




「だろう?」


ミャクターは少し誇らしげだった。




=^_^=エピローグ=^_^=


その夜、ミャクターとトビーは船の窓から広がる星空を眺めながらキャットニップの香りを楽しんだ。




「船長、こういうのもいいね。たまには寄り道するのも悪くないかも。」




「ああ、そうだな。だが次からはお前も何か役に立つものを探せよ。」




「ええー、僕は船長についてくだけで精一杯だよ!」




二人の笑い声がニャーバスター号の中に響き、星々の間を穏やかに漂っていった。




=^_^=つづく=^_^=

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