第3話

「"女王"かー。ただ単に、ハイネ以上に魅力的かつ優しく、聖母みたいな包容力のある女が居なかったってだけの話なんだがな」



「八雲さんっ!ハードルを上げないで!ひなが本気にする!」




え?


でもほとんど合ってるよね。




「娘は盲目ってか」



「あああーーーっ」



「八雲」



「はい?」



「子供の喧嘩だ、縄張り争いだ、そんなものは関係ねぇ。俺の"家族"に手を出すなら……この光景を壊す奴らが居るなら、俺は誰だろうが殺す」



「雪代さん。それは俺も同じです」







少し離れた所から聞こえてきた、八雲パパと雪代さんの会話。







"邪王"のことを言っているのだろうか……。




"邪王"の総長さんの爬虫類なような瞳を思い出す。



糸さん達は教えてくれないけれど、"邪王"がちょくちょく"黒豹"にちょっかいをかけているようで……。




うん。


私も。



私に出来ることなんて、たかが知れてるけれど絶対なにがなんでもハイネママを八千流ちゃんをハイドくんを、そしてお腹の赤ちゃんを守るー!!




「「ひなちゃんっ!!」」





私は腕の中に居る八千流ちゃんを、こっちに駆けてくるハイドくんを抱きしめた。





「大好きだよ、二人とも」



「やちもっ」



「はいどもっ」



「「ひなちゃん、だいすきっ」」



「「「えへへへへへーっ」」」










「八雲」



「はい?」



「後でその写真寄越せ」



「えー」



「半殺しと全殺し、どっちがいい?」



「すんません、すぐ送ります」







何やら物騒な単語が聞こえましたが!?

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