第2話 chat 2  花音ちゃん、俺のこと好き?


 ケンタは約束の公園に待ち合わせ時間10分前に到着。ベンチに座りぼーっとしていた。

 そして待ち合わせの時間2分前になった時……


「ケンくーん!」

「か、花音かのんちゃん?!」

「スマホ忘れてたわよー」


 か、かあちゃん。一瞬花音ちゃんかと思ったよ……orz あ、それとかあちゃん、スマホはわざと忘れてきたんだよ………………


 母はケンタにスマホを渡すと一言残すのであった。


「お母さん、夕飯の買い出しがあるから。デート、楽しみなさいよ!」

「わ、分かったから早く帰って!」


 ケンタが腕時計を確認すると10時を回っていた。


 「遅いね」

「お前が言うな」


 ワイヤレスイヤホンで音楽を聴きながら待つケンタ。けれど20分経っても来ないのでケンタは花音の家の方面に向かうと、公園から少し離れたところに花音が……花音と? 不良らしき少年がいた。

 その二人組の少年は花音を囲んでいた。


「かわいいね 俺たちと遊ぼうよ」

「約束があるので」

「いいじゃんよ」


 立ち去ろうとする花音の腕をつかんだ。


「や、やめてください! 警察呼びますよ!」

「呼べるもんならな」


 不良の一人が花音の髪の毛を掴み引っ張ると、不良少年は彼女の体を密着させた。


「あ、あんにゃろ! 花音ちゃんになんてことを……!」

 「ケンタ! 助けないと!」

「分かってる! 分かってるけど!」

 「男だったらぶん殴ってきなさいよ!」

「相手は二人だ 怖ーよ!」

 「ちん○付いてんのかバカ!」

 アイは常に適切な言葉を選んでいます。

「く、クソッ!」


 体はびびっていて思うように動かなかった。けれどケンタは必死に不良少年の注意を引こうとした。


「あんだーお前?」

「こんなことは良くありませんよ。さっき遠くから見ていました。すでに警察は呼んであります」


 ハッタリだった。ケンタは警察に連絡などしてはいなかった。


「殴られたいの?」

「い、……いえ…………」


 ケンタは万策尽きた感じで少し俯いた。


 「股間を蹴りなさい」

 アイは常に最適な言葉を選んでいます。

「は、はあ!?」


 いきなり素っ頓狂な声を上げたケンタに一歩引いた不良少年たち。


「キモいなこいつ」

「さっさとやっちまおう」


 「まずあの金髪不良少年Aがケンタに殴りかかってくるわ。注意して! 私が的確にサポートするから安心して戦いなさい」

 ワイヤレスイヤホンから聞こえるアイの声。ケンタは指示に従うことにした。

「わ、分かった……」


 金髪不良少年Aがアイの言う通りに襲いかかってきた。


 「左に避けて!」

 「次は右!」

 「一歩後ろに!」

 「ちょっと体勢を崩したわ! 足払いして!」

 「最後はきんた○攻撃よー!」

 アイは常に最適な言葉を選んでいます。


 ポコチーンッ!


「ひょ、ひょえーーーーーーっ!!!」


 ご愁傷様です。チーン


 少しぎこちない動作ではあるものの何とか不良少年Aを倒した。


「あ、アニキ! お、お前ら覚えてろ!」


 不良少年Bは金髪Aのきんた○をいたわりながらAの肩を担いで去っていった。


「ケンタ君! 怖かったよー!」


 花音ちゃんの胸が、お胸がーーーーーーっ!!!


 「ドキがムネムネね! ケンタ」

 アイは常に最適な言葉を選んでいます。


 ケンタは花音の手をとると、公園のベンチに座り花音が泣き止むのを待った。



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