第27話 グランド領の屯田兵の日常 2 (Hシーンあり)
リオンとマリアは村はずれの草むらの上に落ち葉などを集めて簡易なベッドを作っていた。
これから二人は夫婦の営み…つまり性交渉をするつもりであった。
屯田兵の宿舎は残念ながら壁が薄くて、隣の部屋に行為中の音や声が聞こえてしまう。
そのため、誰もいない村はずれで致すのは仕方がないことであった。
月明かりの下で二人は自分たちの作品をみて、満足した。
「うまくできたね。」とマリアがほほ笑む。
「ああ‥」とリオンが返す。
二人はお互いを抱きしめ口づけをする。お互いが愛し合っていることを確認すると、マリアがつぶやいた。
「ごめんなさい。初めてじゃないの…どうしても、生活が苦しくって…」
マリアは泣きそうな声でリオンに謝罪した。
マリアはこの村に流れ着いてくるまでには、想像できないような苦しみを味あってきたに違いない。それはリオンも同じ体験をしてきたからわかる。
若く美しい女性が簡単にお金を稼ぐ方法…売春に手を染めても致し方がないことだと思う。
「仕方がないさ‥‥」
とリオンはそうつぶやく。
だが、頭でわかっているが、感情がどうしても受け付けない。つい、リオンは聞いてしまった。
「何人ぐらいだ」
これまでの男性経験の人数を聞いてしまった。リオンはその質問に深く後悔した。自分が許せなくなった。どうして、そんなことを聞いたのだろうと思っていると、マリアが返してきた。
「初めて…幸せなのは初めてだよ」
そうリオンの耳元でつぶやいた。
リオンはマリアの正常位で挿入を始めた。愛撫とか一切していないが、もうマリアは受け入れる準備が万端であった。
ペニスをゆっくりと秘所にめり込ませ、労働で筋肉はついているが肌質がすべすべのマリアの太ももを抱えながら、挿入していく。
草木のにおいとともにマリアのにおいがリオンの鼻孔をくすぐる。
「ア‥嗚呼あぁ…」
とマリアが喘ぎ声をあげる。
経験済みというが、そうとも思えないほど狭い膣内をぷりぷりと侵入する。
奥まで届くと、「いくぞ」「きて」とお互いが声をかけ、ピストン運動を始めた。
周囲には誰もいない。二人とも遠慮なく嬌声をあげる。
愛液で挿入は徐々に滑らかになっていく。少しずつこすれていく音が大きくなっていく。あたたかな体温がお互いを温める。
「ヤダ‥‥気持ちがいい。こんなの初めて‥‥」
マリアの声がどんどん大きくなる。
「え?まだ大きくなってきている」
どんどんと興奮してきた。そして、子宮口に大量に射精した。
二人は星空を見上げながら、これからのことを語り合った。子供は何人欲しいかとか。家が欲しいとかだ。
夜の空気は冷たく澄んでいて、リオンとマリアは村はずれの小高い丘に並んで座っていた。草原に広がる月光は銀色の絨毯を広げたようで、二人を優しく包み込んでいる。頭上には星が瞬き、どこまでも広がる宇宙の輝きが彼らの目に映る。
リオンが空を見上げながらぽつりと呟いた。
「夜って、昔は嫌いだったな……。」
その言葉には、長い孤独と苦難の時間が滲んでいた。
隣に座るマリアも視線を星々に向けたまま、小さく頷いた。
「わかる。暗くて寒くて……寂しさが染みつくみたいで、夜が来るのが怖かった。」
彼女の声は震えを帯びていたが、今は悲しみではなく、どこか穏やかな響きを持っていた。リオンはそっとマリアの手を取った。その指先は、働き続けてきた証のように硬かったが、温もりを感じた。
「でもさ、今は違うよな。」
リオンはマリアの方を向き、柔らかく微笑んだ。
マリアも微笑み返しながら、彼の手を握り返した。
「うん。今は……夜が好きになれそう。」
二人は星空を見つめ続けた。かつてはただの空虚でしかなかった夜の暗闇が、今では無数の星の輝きに満たされているように感じられた。
リオンは少し照れくさそうに言葉を続けた。
「こんな綺麗な夜空、前は気づきもしなかった。寒さとか腹の減り具合とか、そんなことばかり考えてたからな。」
マリアは静かに頷く。彼女の瞳には星の光が映り込んでいる。
「私も……でも、リオンが隣にいると、ただ暗いだけの夜じゃなくなる。不思議だね。こんな夜を、祝福だって思えるなんて。」
その言葉にリオンは少しだけ言葉を詰まらせたが、深く頷いた。
「俺たち、ここまでよく生きてきたよな。お前がいるから、今はこの夜が怖くないんだ。」
マリアはそっとリオンの肩に寄りかかった。二人の影は月明かりに伸びて、草むらの中で一つに溶け込んでいるようだった。
「これからも、一緒にこうやって星を見れるかな?」
マリアの声は小さく、けれど希望に満ちていた。
リオンは彼女の肩をしっかりと抱き寄せ、決意を込めて答えた。
「当たり前だろう。俺たちはもう、どこにも行かない。ここで、こうして生きていくんだ。」
その言葉に、マリアの頬に小さな笑みが浮かぶ。星々の瞬きが、まるで二人を祝福しているかのようだった。夜はもう、二人にとって孤独を突きつけるものではなく、希望を語る舞台に変わっていた。
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