第4話:下手くそな俳句を作った意味なし。
「見て欲しい?・・・私に?」
彼女はいぶかしげに俺を見た。
「私で分かることなら・・・」
「あ、その前に自己紹介しときます」
「おれ、
「はい・・・みかど様?」
「あ、御門の
「分かりました御門様・・・・で?私に見て欲しいモノとは?」
「あ、あの・・・平安時代に行くにはどうしたらいいんでしょう?」
「は?・・・それは見て欲しいモノじゃなくて相談でしょ?」
「あ〜見て欲しいモノはもういいです・・・恥ずかしいから」
「そうなんですか?・・・それで御門様は平安時代に行きたいのですか?」
「一度行ってみたいな〜って思って・・・」
お〜い、万平せっかく書いた下手くそな俳句はどうした?
「御門様?・・・よければお試しになってみます?」
「えっ・・・試す?・・・試すって?なにを?・・・?」
「平安時代に行く方法です」
「そうですね、まず用意するもの・・・手鏡にお風呂場の鏡・・・で手順・・・
深夜の2時24分にお風呂場の鏡の前に立つ」
「手鏡を持って鏡に向ける・・・手鏡に鬼が写ったら目を合わせる」
「で、次元空間に吸い込まれる・・・それで行けると思いますけど・・・」
「や・・・・やめましょう〜」
「ふふ・・・あはは、面白い・・・大丈夫ですよ、そんなことしなくても
行けますよ、平安時代に」
「は?・・・今の怖い話はなんですか?・・・え?俺をからかったんですか?」
「だって御門様があまりに真剣な顔してらっしゃるから、ちょっとからかって
差し上げました」
「え〜・・・」
「ごめんなさい」
「平安時代まで行きたければその古井戸から行けます」
「古井戸が平安時代と現代の結界になってるんです」
「え?そんな不気味な古井戸が?・・・」
「中からお菊さんが割れた皿持って出てきたりきません?・・・幽霊ですよ幽霊」
「そんなのは一般人がこの井戸に入らないよう私の
「誰も彼もが事実を知ってしまうとやっかいですからね」
「
「私の主人は安倍
「え?安倍 永明・・・・安倍 晴明とかじゃなくて?」
「違います・・・でも同じ陰陽師には違いありませんけど・・・」
「永明さんなんて陰陽師聞いたことないけど・・・歴史にも名前載ってないでしょ?」
「御門様、歴史に名前が残ってない陰陽師なんてたくさんいますよ」
「永と晴で文字が一文字違うだけでランク下がってない?」
「失礼ですよ、御門様・・・人を見下したり誹謗中傷するのはよくないです」
「いやいや、そんなつもりないです、ごめんなさい揚羽ちゃん」
「私の
「そうなんですね」
「安倍 晴明さんならそりゃ映画化もされてるし超有名な人だし」
「つうか揚羽ちゃん・・・その安倍 永明さんが
「なに言ってるんですか・・・私は誰とも契りは結んでません」
「ああ、よかった一安心」
「御門様、式神ってご存知?」
「しにがみ?・・・死神って死んだ人の魂持ってっちゃう人でしょ?」
「揚羽ちゃん・・・そうは見えねいけど・・・」
「しにがみじゃありません・・・しきがみ・・・式神です」
「それに死神って人じゃないじゃないですか」
つづく。
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