【短期連載】《魔法少女アイスピーエ》
くじらのはら
【第1話】《魔法少女アイスピーエ》
20xx年、魔法少女が飽和する世界で戦う3人の少女たち
「ベリー!そっち行った!」
「おっけー!ベリーシャワー!」
ボンボンボンッ
「ライム!」
「わかった!ライムネット!」
ヒュンッ!
「捕まえた!」
「みんな!最後の仕上げだよ!」
「「「とりぷるアイスミルキーウェイ!!!」」」
ギャォォォォ……
スタッ
「はぁ…はぁ…今回もファイアー軍の怪獣をやっつけられたね!」
「ぜぇ…ぜぇ…これで街の平和は守られたな」
「…ふぅ。みなさん、ファンサービスの時間ですよ。」
戦い終えた少女たちの周りを取り囲むように人だかりができている。その中からは「ベリー!今日もかわいいよー!」「ライムー!こっち向いてー!」「ミント様!!冷静なところすてきー!」など歓声が次々に飛ぶ
その群衆をえっちらおっちらかき分けて輪の中心、魔法少女の元へ行く影があった。
「ベリー!ライム!ミント!おつかれさまロディ!これで街の安全は守られたロディ!」
姿を現したのは1匹のマスコット。
シマリスを白くしたような容姿、耳や首元にはアイスのフレーバーの具材をモチーフにした飾りを着けている。
「ラク!遅いよもー!」
「仕方ないですよ、ベリー。ラクさんは打ち合わせなどで忙しいのですから。」
「だとしてもお出ましが遅いんじゃないか〜?」
ラクの頭をうりうりといじくるライム、それを見て笑うベリーとミント
その姿を写真や動画に写そうとする人々。
「ファンのみなさーん!魔法少女の撮影は御遠慮くださーい!マスメディアなどの報道機関以外の撮影は法律で禁じられていまーす!!」
いじくりまわされていたラクが大きな声を上げる。
「魔法少女たちの変身解除のため道を開けてくださーい!!」
そそくさと通り道を作るファンたち。その道を駆ける魔法少女たちの姿ひとつとっても可愛らしさで溢れている。
「ご協力ありがとうございましたー!」
「みんなまた会おうね!」
「このあとはウチらのライブもあるから来てくれよ〜!」
「それでは、魔法少女アイスピーエでした」
そう言い残してビルの影に消え去った
【短期連載】《魔法少女アイスピーエ》 くじらのはら @kujirrrranohara
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