異世界転生ハーレム!アマゾネスたちと子作り性活!!

@shin3301

第1話 異世界転生!

芦田陸は、今日もコンビニ弁当をぶら下げて帰宅の途に着いていた。クールビズでネクタイはしていない。

シャツはヨレヨレでスラックスも一週間履きっぱなし。

洗ってくれる人がいないから仕方ない。


毎度の残業で遅くなり、自炊する気にもならなくて、今日もコンビニ弁当を買ってしまった。

遅い時間だからか売り切れの商品が多く、選択肢が限られているため毎日同じ売れ残りを食べているような気がしてくる。


とは言え彼はそう言ったことをあまり気にせず同じ弁当を食べ続けるぐらいには無頓着な男だった。


赤信号で立ち止まる。


遅い時間で車の通りも少ない道で、真面目に信号の色を見て立ち止まっている程度には真面目な男で、

赤信号を無視して横断歩道を渡っていく女子高生を腹立たしく思う程度には正義感を持ち合わせていた。


そして、信号無視をした女子高生に向かって明らかなスピード違反車が突っ込んできた時、反射的に女子高生を突き飛ばして助けるぐらいの行動力も持っていたのだった。


夜の街に激しいブレーキ音が響き、凄まじい衝突音が

激しい事故を予想させたが、芦田陸はその衝撃を他人事のように感じていた。


体が動かない…寒い…俺は…死んじゃうのか?

まあ、くだらない人生だ…女子高生を助けて死ぬなんてカッコイイじゃねーか…


そんなことを思ったからだろうか?

血まみれで倒れる彼の顔は微笑んでいるように見えた。


「ひいいっ!」そんな悲鳴が聞こえてくる。

僅かに動く目を向けると、さっき突き飛ばした女子高生が叫んでいるのが朧げに見えた。


良かった…無事みたいだ…どんな子だろう…

可愛い子だったらいいな…


自分の命が失われようと言う時にも、彼はそんなことを考えていた。


恐ろしい思いをしたからか?女子高生は酷い顔をしていた。

濃い眉毛…丸い鼻…分厚い唇…無精髭…


「コスプレのおっさんかよ!」


芦田陸の最後の言葉は、この一言だった。


***


白い…全てが白い世界…


芦田陸が目を開けると、周りのあまりの白さに気味の悪さを感じていた。

起きあがろうと上体を起こして気づく。

まだ生きてる?


「まさか…あれで生きてるはずは…」そう呟いてみたが、自分の身体は特に普段と変わらないように見えた。


ヨレヨレのシャツも履きっぱなしのスラックスも変わらないようだ。


しかし…こんな世界は普通じゃない。


地面と思われるものは霧に覆われてよく見ることが出来ない。そんな地面に足をつけ立ち上がる。


そして背後へと振り返ると、まるで玉座のような豪華な椅子と、そこに座る年老いた老人の姿が目に飛び込んできた。


長い白髪に白く長い髭はまるで仙人を思わせる風貌だ。

その老人は、ギリシア神話の絵画に描かれる人物のような、布切れのような服を身に纏っていた。


白い世界には、玉座と老人しかいないように見えた。

それは、陸の理解出来る世界ではなかったが、少なくとも異世界と言う単語が頭に浮かぶぐらいには状況を把握していた。


「お主、災難じゃったの」唐突に声をかけられて、陸は反射的に声を出した。

「は?あ!あぁ…まあね…」声を出したついでに言葉を紡いでいく。

「ここって異世界ってやつ?俺って転生したの?」


「ふぉっふぉっふぉ。理解が早くて助かるぞい」

老人は嬉しそうに白い髭を撫でていった。


よくある展開に陸は心を震わせていた。


つまらない人生。その最後はコスプレのおっさんのために迎えたと言うクソみたいな状況からの逆転劇に内心興奮していた。


惜しむらくは、現れたのが老人だってところだ。

美人の女神様なら良かったのに…

そんなことを思いながら残念がる陸だった。


「女神でなくてすまんの」老人の言葉に、陸は動揺しました。

心が読まれている?


「女神ではないが、神には違いないんで許してやってくれ」そう言って老人は微笑んだ。

「いや…許すも何も…すみませんでした…」日本人サラリーマンの悲しい性か。とりあえず謝る陸だった。


「ふぉっふぉっ…良い良い。」機嫌悪くなってなさそうだ…良かった。老人?神様の言葉に陸はホッと胸を撫で下ろした。


「早速じゃが本題に入るぞい」ホッとしたのも束の間、神様の言葉に陸は身構えた。

「お主の想像通り異世界に転生してもらおうと思っとる」キタ!期待通りの展開に陸は小躍りしそうな気持ちを抑えて、出来るだけ冷静に努め聞き入った。


「お主は自分の危険も顧みず人を救う心と行動力を持った男じゃ」

「わしはお主のような男を探しておった」陸はこうやって褒める上司をイマイチ信用して来なかったのだが、それはそれ、悪い気はしなかった。


「お主にはエリュトラの大地に行ってもらう」

「エリュトラ…?」聞いたことのない地名だ…

そう言えば、お尻のポケットにスマホが入ったままだった。あとでググってみるか?

使えるとは思えないが。

今更だが、コンビニ弁当はどこに行ったんだろう?


「エリュトラの大森林に住むアマゾネスのアルダエアと言う部族を救ってもらいたいのじゃ」

「アマゾネス…あの、女だけの集団の?」これはもしやハーレムルートか?そうなのか?陸は叫びたい気持ちをグッと抑える。

しかし…アマゾネスか。ちょっと怖いイメージだよな…。そんなとこに行かされてもキャッキャウフフの展開が想像出来ないんだが…


「アルダエアの部族は存続の危機に瀕しておる。お主には部族を救う役目を担ってもらいたいのじゃ」

「救うって、何をすれば…?」異世界転生のお約束と言えば勇者になって魔王を倒すとか?

しかし、アマゾネスって戦闘集団だろ?俺が何に役に立つと言うのか?自慢じゃないが高校生の悪ガキにカツアゲされたこともあるぐらいだ。


「お主にやってもらうのは、子づくりじゃ」

「キターーーーーーーーーーーーーうぇえええいい!!!!」


思わず拳を握り締め絶叫してしまう陸であった。


「喜んでもらえて何よりじゃ」小躍りする陸を眺めながら、神様は満足そうに頷く。

「では早速行ってもらおうか…」そう言いながら、神様は陸に向かって手をかざした。


「ちょちょ、ちょーっと待った!」神様の動きに気付いた陸が怪しい踊りを止めて、神様を制止する。

「なんじゃ?何かあったか?」神様は不思議そうに目を開いた。

「あのですね。こう言う場合って何かスキルとか貰えたりなんてことは…ないですかね?」彼のぺこぺこする様子はクライアントに頭を下げるサラリーマンを彷彿とさせる。

神様はその問いに白髭を撫でながら思いを巡らせた。


「では、絶倫にしてやろう」

「おいっ!!!」間髪入れず陸のツッコミが入る。

「要らんのか?」神様は表情を変えることなく淡々と問いかけた。

「あ…要ります」貰えるなら貰っとこう…そんな程度の気持ちで陸は提案を受け入れた。


「あの、他にも何かありませんかね?」絶倫は良いけど、他にも何かないのか?陸はダメ元で聞いてみた。

「まだ何か欲しいのか?ふ〜む…では、おまえが触れたアマゾネスの感度が上がるというのはどうじゃ?」それはいい!

「お願いします!」陸は最敬礼で神様を讃えた。


「では…準備は良いな?」そう言って神様は再び陸へと手をかざす。

「いや…あの、すみません」

「まだ何かあるのか?」神様は手を止める。

「このままアマゾネスのところに行くんですか?」

「そうじゃ」

「俺…不審者で捕まったりしませんよね?」陸は素直な疑問を口にする。

さまざまな状況を想定して事前に確認を行うのはサラリーマン必須のスキルだ。少なくとも芦田陸はそう思っているし、そうやって横暴なクライアントや上司とやり合って来たのだ。


「…………」神様の視線が何もない中空を泳ぐ。


「大丈夫じゃろ?」神様は疑問系で答えた。

「それ、大丈夫じゃないやつ!」間髪入れず陸がツッコミを入れる。


「ふぉっ…お主なかなか言うのう」言ってしまってから、陸は冷や汗を流したが、神様の反応が悪くないことに安堵する。

とは言え、あまり迂闊な事を言って気を悪くさせるのも良くない…いや、神様は心を読めるんだった…

この考えも筒抜けなんじゃないか?

そんな思いを巡らせている陸に、神様は声をかけた。


「お主の不安も最もじゃ…わしの配慮が足らなんだな、許せ」そう言う神様が陸に手をかざすと、陸の胸がほんのり暖かくなり全身に活力が沸いてくるような気がした。


ヨレヨレのシャツの胸を開けて覗くと胸に何やら紋章が刻まれている。その紋章はほんのり光を発しているようだった。


「これは…?」陸は青ざめた。この歳になって胸にタトゥーなんて恥ずか死ぬ!温泉とか行けないじゃないか!

…と思ったが、よく考えたら異世界転生するのだから別にいいのか?と思い直す。


「どうじゃ?かっこいいじゃろ?わしとお揃いじゃ」神様は羽織っていた布切れのような服の胸元を広げて見せつけて来た。

そこには確かに陸の胸に刻まれた紋章と同じものが刻まれていた。

「おおぉ……」おおいっ!とツッコミたいところだったが、陸はグッと言葉を飲み込んだ。


お揃いはともかく何かすごい効果があるに違いない。

それが何かさっぱりわからなかったのだが。


「では今度こそ行くがよい」神様がそう告げると陸の体が光に包まれていく。

「え?ちょっまっ」まだ聞きたいことがあるのに!


紋章にどんな効果があるのかとか、アマゾネスと言葉が通じるのかとか、行き先がどんな文明レベルなのかとか、危険はないのか?可愛い子いるのか?飯は美味いのか?そういえばコンビニ弁当食べてないとか、財布はどこに行ったんだとか…


考えているうちに、陸の意識は途切れた。

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