第6話 雑談配信

デビュー配信自体は、まあいい感じに終えることができたのではないだろうか。


始めのオリジナル曲で掴みは十分、その他にも決めないといけないことは決めたし、リスナーが聞きたがっていた一番のメインどころは答えられただろう。


東條さんに聞いたところによるとデビュー当初は毎日配信を行って、新しくデビューしたということを伝える方がいいそうだ。


ということで明日は予定通り雑談配信を行うことにしよう。




「こんばんは、君たち。昨日のデビュー配信に来てくれたみんなはありがとう、それ以外の人は初めまして。『メモプロ』所属、天使兼執事長のセラヴィス·アークバルトだ。」


【ごんばんわ~】

【わこつ】

【昨日のデビュー配信よかったよ!】


「昨日は御披露目の意味が強かったのであまり雑談が出来ていなかったので、今日はデビュー前から開いていた『あめちゃん』に届いている質問に答えていこうと思う。」


『あめちゃん』とは匿名でメッセージを送ることが出来るツールのことで、飴のように甘くてみんながもらって嬉しいメッセージを送ろうというコンセプトに従って悪口等は事前に検閲されるツールのことだ。


デビュー前からもそこそこ届いていたのだが、昨日の配信後にめちゃくちゃ届いた。


「君たち、『あめちゃん』に色々送ってくれてありがとう。君たちが僕に興味を持ってくれたようで嬉しいよ。」


【ええんやで】

【昨日の配信がちょっと衝撃的だったしね。特に曲の部分が】

【わたし、気になります!】

【イケメンの『あめちゃん』からしか得られない栄養がある】


「さて、始めのお便りは...」


『デビュー配信お疲れ様でした!イケメンフェイスから繰り出されるイケボによって私のハートは射貫かれてしまいました!これからファンとして推させていただきます!さっそくですが、質問があります。セラヴィス様のことはなんとお呼びすればよろしいでしょうか?』


「ファンになってくれてありがとう。これからも楽しんでもらえるような配信が出来るよう心掛けるよ。」


「さて、質問の件だけど正直言うとどう呼んでもらっても構わない。一応『セラヴィス』が名前で『アークバルト』が姓になるので、『セラヴィス』や『セラヴィスさん』と呼んで貰うのがよいと思う。なんなら愛称として『執事長』でもいいよ。」


【執事長!】

【セラヴィス様!】

【流石にこのイケメンを呼び捨てには出来んよ...】


「次のお便りは...」


『デビュー配信のオリジナル曲最高でした!あれほど楽器が弾けるということはそういう専門の勉強をされていたのでしょうか?答えられたら教えてください。』


「音楽については独学だね。専門の勉強とかは特にしたことないよ。ボイトレには過去に行ったことがあるんだけど、半年ぐらいで『教えられる技術は全て教えたから後はその技術を使って磨いていってね!』って言われてしまってね...』


【やはり執事長は天才だ!】

【神は天使に二物以上を与えたのか...】

【天使相手なら依怙贔屓してもしゃあない】


「まあ、そこは神様に感謝だね。なんなら神様は僕の上司にあたるし。」


【神が上司って強そう(小並感)】

【うちの上司は疫病神やで】


「さっきのお便りはそんなところで。次のお便りはと...」


『今後どのような活動をしていく予定でしょうか?』


「実はそこはまだはっきりとは決まっていなくてね。他の先輩らがどうかわからないんだけど、結構僕は自由にさせてもらっているんだ。」


「とりあえず曲は出そうと思っているよ。他にもゲームをしたり声劇したり、直近では料理配信をやろうと思っているところだね。」


【なんのゲーム?】

【声劇!?私得しかない!】

【料理?執事長は料理まで出来るんですか?】


「まあ、人並みには出来ると思うよ。なんの料理を作るかは料理配信の時に伝えるけど」


【曲に料理まで!これで二物ではなく三物か...】

【いや、イケボも含めて四物や!】

【漫画に出てくる王子様よりもスペック高そうで草】


「まあ、料理配信を楽しみにしといてくれ。」


『セラヴィス様は天使だと思いますが、位階はどの程度なのでしょうか?』


「僕の名前から推測出来ていると思うが、天使としての階級は『セラフィム』だ。その為位階で言うと最高位となる。天使の中で一番偉い位階と思ってくれ。」


【神はこのイケメンに地位と権力まで渡したのか!】

【これで五物...】

【昨今の少女漫画でも見ないレベル】

【執事長バンザイ!】


『社長とはどうやって知り合ったの?』


「それについてはどこまで話していいのかわからないので、兎耳山さんとコラボするときに話すことにするよ。」


『おいくつですか?』


「天使なので既に1億歳以上だけど、見た目の年齢で言うと30歳にならないくらいだね。」


【30歳と...φ(´・ω・`)メモメモ】

【これで新人か...凄い新人が来たもんだ】


「さて、だいたい来ていた質問には答えられたかな?時間も結構経ったので今日の配信はここら辺で終わろうと思う。君たちも遅くまでありがとう。」


【こちらこそありがとう】

【また配信来ます!】


「それじゃあお疲れ様。またね。」


そう言って雑談配信を終える。





○あとがき

カクヨムって話ごとのあとがき機能ないんですかね?私が知らないだけ?


セラヴィスのイメージ画像を近況ノートに載せました!

よかったら見てください!(話を読むのにイメージしやすくなるのでは?)


あと、私自身が関西の人間でして、所々関西弁が出てしまってるかもしれません。そこのところは寛大な心で見逃していただけると助かります。


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