第4話 今までとは違うパターン(別視点)
○南雲視点
アタシは『南雲咲希(なぐもさき)』
2ヶ月前に『メモプロ』からデビューしたばかりの新人で、やっと配信にも慣れてきたかどうかという程度。
『メモプロ』の先輩方に色々と教えていただきながら毎日四苦八苦しながら配信生活を楽しめていると思う。
『メモプロ』の先輩には男装麗人の僕っ子や常にハイテンションの男性先輩等個性豊かな先輩がいる。
アタシの場合は特効服にサラシと見た目は一昔前のレディースのような格好をしており、同期で清楚担当である『西園千郷(にしぞのちさと)』とは真逆の性格としてデビューさせてもらった。
素の性格が割りとサバサバしていると思うので、特にキャラを作ったりする必要がないのは非常にありがたい。
チャンネル登録者数は2万人ほどで、同期の千郷が3万人なのに対すると少し負けているが、私自身そこまで登録者数に拘る人間ではないのであまり気にしていない。
ただ、せっかく『メモプロ』に拾って貰えたので、恩を返すためにも社長である灯里さんに追い付け追い越せ精神で頑張っていこうと思う。
アタシのキャラの紹介はそんなところにして、ウチの事務所の話をしようと思う。
我等が『メモプロ』は半年に一度二人ずつ新人メンバーがデビューしている。
アタシらが2ヶ月前にデビューしたので次は4ヶ月後だと思っていたのだが、ウチ社長から急に『一人新しくデビューしてもらうつもりだから。男性ライバーだからみんな楽しみにしててね。』と一週間前に伝えられた。
どうもその急な話は先輩達にとっても寝耳に水だったようで、ウチらの通話アプリサーバーは結構な賑わいをみせた。
「もしかして灯里さんの彼氏かな?」
「いや、親族とかじゃない?」
「イケボかつイケメンだといいな~」
「俺は一緒に楽しく遊べるやつがいい!」
など、どんな後輩が来るのかみんな楽しみにしている。
アタシらがデビューする時は2ヶ月ぐらい前に『メモプロ』のサーバーに入って自己紹介とか軽く通話を行って交流をしたりしたのが、今回はそういうのは全くなかった。
今までは毎回事前交流があったので今回は特別なのだろう。
また、アタシや千郷はオーディションを受けて合格した結果デビューしたのだが、どうも今回の新人は灯里さんの知り合いらしくオーディションを受けてのデビューということではないらしい。
どんなやつが後輩としてデビューするのかは知らないが、同期もいなくて寂しくしているだろうしアタシが色々と構ってやろうと思う。
さてデビュー配信まで後一時間、どんな後輩が仲間になってくれるのか楽しみだ。
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