直『わかってないなぁ！それは俺が、藤くんとかヒロとか秀ちゃんとかと一緒にいるからこそ出せるパワーでしょ？』

藤「…そっか」

それは、依存とは違うもの。

人が生きていくために必要なのは、何よりも人だから。

信頼か、愛情か、名前の付けられないこの気持ち。

直『だから俺は、藤くんに誓う』

藤「いや、俺は…」

やめた方がいい、俺こそ弱いし不安定だから。

そう言おうとしたら、またまたチャマの笑顔に遮られた。

直『藤くん自身が不安定かどうかなんて関係ないよ。俺自身が“己”を確立するための、支えの問題だもん』

藤「支え？」

直『うん。藤くんは、俺の心の中の神様だよ！』

いたずらっ子のようにはしゃぐチャマ。

それは、今まで俺が聞いたなかで、いちばんきれいな言葉だった。

ったく…チャマは本当に俺を買い被ってるよなぁ。

でもそれは、俺がチャマをある意味で神聖視してるのと同じか。

要するに、持ちつ持たれつってとこかな。

きっと人と人とのつながりなんて、そんな幸せな誤解と期待で出来てるものが大半なんだろう。

こうして、騒動は収束した。

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