第27話
だいたいおまえら、自分たちのことを負け組だなんて言って、恥ずかしくないのか。
そんなに自分で自分を蔑むような人生なのか。
そう言い返したくても、言葉が出てこなかった。
理性的に考えれば、反論の余地はある。でも。
…俺の曲が、俺の言葉が、“きれいごと”であるという主張。
そこには、俺を黙らせる力があった。
ヒロの声が、耳の奥でよみがえる。
―――すごく勇気づけられるんですよ。
秀ちゃんのくれたメールが、頭の中でループする。
―――夢を捨てないで良かったなぁ、って。
チャマの笑顔が、目の裏に焼き付いて離れない。
―――とりあえず明日も生きてみよっかなー、みたいな。
俺が、俺自身と格闘して書いた言葉が。
良かれと思って綴った言葉が。
誰よりも、俺たち4人のために書いた言葉が。
知らないうちに、どこかの誰かを傷つけて…
こうして廻り廻って、チャマを傷つけたっていうのか?
息苦しさで目の奥が熱くなってきた、その時。
チャマが口を開いた。
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