第22話

秀ちゃんの言うとおり。

そして、このままグズグズしているわけにはいかない。



升「よし。とりあえずアイツここに呼んでくるか」

増「えっ!?でも、何て言って?」

藤「待って秀ちゃん。それより、もうこのまま午前零時を待とうよ」

直『気ぃつかってくれてありがと、藤くん』



チャマは俺の意図にいち早く勘づいたようだ。

このまま3人がチャマを囲っていれば、必然的に彼を守ることが出来るということに。

わざわざ容疑者に知らせることなく。


さすが俺の恋人、頭の回転が速い。

守りがいがあるぜ。

絶対これ以上、こいつを傷つけさせはしない。








そして午前零時。

脅迫状のお呼び出しの通りに、埠頭の倉庫へ赴いた。

1人で佇むチャマの背中は頼りなげに見えるが、その実、俺たち3人が物陰からいつでも飛び出せる体勢で見守っている。


浜風はかなりキツくて、潮の匂いがまとわりついた。



藤「遅ぇな…」

増「チャマ、大丈夫かな。いきなり大人数で殴りかかってきたりしないよな…?」



ヒロの不吉な発言に、秀ちゃんが何か言いかけた時。

今日も現場で聞いていた、あの声が聞こえてきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る