第17話
ヒロ、そして秀ちゃんの撮影も無事に終わり、スタジオに戻った。
今度は4人揃ってカメラ目線とか、4人でバラバラに目線を外すとか、4人で歩くとか、4人で喋って笑うとか…
とにかくその場で4人で出来そうなことをどんどんしていく。
直『そんでヒロ、どしたの?さっき』
増「あー…ばれてるねぇ」
藤「そりゃねぇ」
カ「はい、いいよ~笑顔そのまま!はい今度はこっちから撮るね!」
カメラマンのリクエストにこたえながら、俺らはさっきのヒロの表情について話す。
カ「はい升くん、もう少し顔左向けてぇ。そう、そこ」
直『あ、ねぇねぇ、次って向こうで撮るの?』
ス「えーと…あそこは2人だけですね。藤原さんと増川さん、あっちでお願いします。升さんと直井さんは、あそこの椅子のところで」
升「はい、わかりました。……そんで?何があったんだよ、ヒロ」
増「大したことじゃないと思いたいんだけど。今のスタッフさん、みんな見覚えない?」
不自然さを出さないように気をつけながら、ヒロの目線をたどる。
カメラマンはそれを見て、「4人で同じ方向を見てる画ってのもいいねぇ!」と、相変わらずテンション高い。
増「今の…あの人。今ストロボ運んでる、何ヶ月か前にウチの事務所に入った彼」
升「え?あぁ、あの人か。でも見覚えって…??無いなぁ」
スタジオじゅうを雑用で飛び回っている彼は、…えぇと、まずい。名前が思い出せない。
でも言われてみれば、ここ最近のプロモ仕事でよく見る顔だ。
ラジオの時には弁当を持ってきてくれたし、ネット放送の時には楽屋に飲み物を持ってきて、テレビをつけて…
今日も……
…あれ?
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