第12話

落ち着けだと!?これが落ち着いてられるか。

俺のチャマが、病院行くほどの怪我をさせられたんだぞ。

しかもあろうことか、俺との関係をネタにして!


聞けばチャマは、ここ最近のプロモーション仕事のたびに、何かしらの暴力を受けていたという。

そんなことにも気づかなかった俺自身の鈍さに、本気で目がくらんだ。





うなり続ける野生動物のような状態の俺を、チャマが必死でなだめる。

升増コンビは、俺の気をそらそうと必死だ。

いったい誰が被害者なのやら。



増「そ、そうだ。ねぇチャマ、最近禁煙してるの?」

升「あぁ、そうだよ。俺らが早とちりしたのは、そのせいもあるんだよ」

直『え?ああ、そっか。禁煙ていうか…怪我のせいで肋骨に痛みがあるから、肺とかに負担かけちゃいけないって言われてんの』

藤「…傷、そんなひどいのか」



Tシャツをめくって見せられたそれは、殴られた痕。

腹部から背中にかけて、青黒くいくつも出来たアザ。そして擦過傷。

…マジなめんな。

今すぐ犯人見つけ出して殺してやる!!



升「だから待てって藤原!落ち着け」

増「そうだよ!犯人捜し、俺らも協力するから!」

直『仕返しするんだったら、俺がまずフルボッコにするし!』



止めてんだか煽ってんだかわかんねぇけど、とにかく3人の力尽くの説得(?)で、俺は椅子に腰を下ろした。

…こんな状態で、このあと写真撮影なんか出来るだろうか。

俺も不安だけど、3人はそれ以上に不安だろうなぁ…

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