第10話

インタビュー終了後、俺たちはいったん休憩となった。

しばらくしてから別の場所で写真撮影という段取りらしい。

秀ちゃんとヒロはレコーディングブースに戻る様子だが、俺はそんな気になれない。


ため息とともに廊下を歩いていると、小部屋から飛び出してきた人とぶつかってしまった。

すみません、と言う俺の目にうつったのは、厳しい表情のチャマ。

心なしか、目にうっすら涙を浮かべているようにも見える。

咄嗟に、その腕をつかまえた。



藤「待ってチャマ!話が…聞きたいことがあるんだけど!」



これ以上モヤモヤしてても、ろくなことにならない。(主に俺の精神状態が)

こうなったら直接問いただしてやろうじゃないか。もうどうにでもなれ!!


無言のチャマを引きずったまま、大急ぎで残りの2人も呼びに行った。







5分後。



直『はぁ!?俺が肺がん!?何それ!』

増「あ、ち、違う…の?」



大変健康的な若者の絶叫が響き渡った。

あああ。何というオチ。

狭苦しい楽屋に4人で閉じこもって、内鍵までかけて、このザマですよ。

これが本当の楽屋オチ、ってバカなこと言ってる場合じゃない。

むしろ早とちりでバカを見たのは、



直『違うも何も、どっからきたんだよそんなバカな話!』

升「はぁ~~~~………」



俺たち3人ですね。

まだ興奮して何かわめいているチャマを横目に、秀ちゃんがテーブルに突っ伏した。

俺も本気で体の力が抜けて、その場にへたり込む。

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