第3話

ラジオ収録の後半戦は、司会者&俺ら4人による、完全フリートーク状態だった。

さっきのチョコ菓子をかじりながら、延々と続く会話。

…でもなぁ。こう長いと、さすがにちょっと途切れがちになってくるわけで。



藤「だらけてんなぁ…もっとこう、背筋の伸びる話はないのかと」

直『リスナーからのメールとか、そういうのないんですか?』

司「あ~ごめん、ない。事前に告知とかいっさい打ってなかったから」

(全員爆笑)

直『打てよ!』

増「そこは打っといてほしかったなぁ」

司「ごめんごめん。でもさ、ほら、4人が自由に喋ってる声が聞きたいってリスナーは多いよ?」

藤「それはまぁ、嬉しいっすけど…」

司「でしょ?ほらぁ間違ってない!」

直『もぉ~、でもやっぱり何かテーマあった方が話しやすいじゃん!』



チャマの言うことは、至極もっともなわけで。

…おい升、アクビすんな。ばれてるぞ。



直『じゃあさ、感想!今回の新曲を初めて聞いた時の感想は?まずヒロくん!』

升「チャマが司会者みたいになってる(笑)」

司「やばい、来週からこの席奪われるかも(笑)」

増「えええっと…感想はね。すごくこう、後ろ向きなのに前向きっていうか…いつも基本そうなんですけど。勇気づけられるんですよ、特にこの曲聞くと」

藤「後ろ向きなのに前向き…(苦笑)」

直『良いじゃないの、勇気づけられるんだから♪はい次、秀ちゃん!』

升「励まされましたね。夢を捨てないで良かったなぁ、って思いました」



…あれ?なんか、どっかで聞いたようなセリフ…?



藤「おまえ、最初にメールで送ってきた感想と一緒じゃねぇか」

升「え、だって初聞きの感想でしょ?同じでいいじゃん、あれ俺の素直な感想だから」

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