ランプ

第6話

升「それで?そろそろちゃんと説明してくれ。どうしてあんなことになったんだよ」

藤「うーん…」



リビングのテーブルで、2人で話す。

あれからすったもんだの挙句、ヒロとチャマが一緒に夕飯の買い出しに行くことになったのだ。

(と言っても今日は料理人が幼児化してしまっているので、デパ地下で出来合いの物を買ってくる手筈なんだけど)






手短に例の占い師の話をしたら、秀ちゃんの目が文字どおり点みたいになった。

驚愕・疑い・混乱etcが全部ミックスされて、かえって表情が失われたらしい。



升「…マジで?」

藤「マジ。というかそれ以外に、現代科学で今のチャマに起きてる現象を説明できる?」

升「うーん…」



無理だな、と頭を抱える彼の目の前にキャンディを置いた。



升「え?」

藤「道ばたで押しつけられたのは2本だったの。1本はチャマが食べて、その残り」

升「!?」



反射的に逃げ腰になる秀ちゃん。

普段ドラムの前でどっしり構えてるのと同じ人とはとても思えない。



藤「…食わなきゃ大丈夫だよ。俺だって何度も触ってるけど、別に何ともないから」

升「そ、そうか…ごめん。あのさ、チャマが食ったのとコレって、全く同じもの?」

藤「えー、と…包みとかは同じっぽいけど…」

升「そっか。残りのコレをチャマに食べさせたら、元に戻る可能性はないかな?」



正直、それは俺もちょっと考えてたことだった。

でも。



藤「もしそれで、かえって逆効果だったら?唯一の手がかりの飴までなくなった上に、あいつが今度は一寸法師みたいになったら、どうすんだよ?」

升「いや…今起きてる現象にさらに輪をかけるんだとしたら、一寸法師化はありえないけどな」



無表情のまま「せいぜい胎児化か」と続ける友人に、若干殺意が沸いたが。



升「その占い師んとこにもう1回行ってみたら?」



初めて出てきた建設的な提案に、俺も頷いた。

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