第33話

人類最後の男の亡骸は、彼を慕った子供たちの手によって、手厚く葬られた。

棺には、ギターやベース、ドラムスティックが、ともに収められた。




―――たとえば、信じてくれよ。こっちはそれすら疑うさ。

―――それより触ってくれよ。影すら溶けてく世界で。

―――影じゃない僕の形を…




そして、彼が楽器とともにこの星まで持ってきた、一葉の写真は。

あの年長の子供が、ひっそりと保管している。


そこにあるのは、4人の笑顔。

そっと、その名前を呼んでみれば。




―――ヒロ

―――ヒデチャン

―――チャマ

―――フジクン








永遠に続く、幸せの夢。








【了】

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