第32話

直「うあぁ、さみ~~!!何かあったかいの飲みたい!」



おいチャマ、独り言がうるせぇぞ。



直「んー?あ、藤くんもコーヒー飲む?」

升「…おまえ、どうかした?」



ぼぅっと立ち尽くす俺にいち早く気づいて、声をかけてくる秀ちゃん。

その後ろには、コーヒーの湯気とチャマの笑顔が見える。

あたり一面を包むように、ヒロのギターの音があふれている。



増「ねぇ。“1人じゃ何も出来ない”なんて、言うなよ」

升「ていうかおまえ、やろうと思えば1人でも出来るだろ」

直「でも4人がいいんでしょ?前、そう言ってくれたじゃん」



そっか。そうだったっけ。

今のこの状況が幸せすぎて、よく思い出せないよ。



増「てゆーか腹減った…」

直「ぉし、メシ行こ!メシ!」







何気ない雑談と、穏やかな笑顔。


それは、藤原が末期に見た夢。

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