第23話

―――地球から持ち帰った植物の毒が、すごく危険だってわかったんだって。

―――それに…地球人に食べさせるものが、もうないんだって。



気がついたら、何人もの子供たちが俺の前に集まってきていた。

伝わってくるのは、焦りと、俺を心配する気持ち。



―――地球のモノや人は、例外なく“処分する”って、議会で決まったって。

―――だから、



「逃げてチャマ!」

「ヒロ、早く!」

「ヒデチャン!」









一目散に走り出した。



鍵をあけてくれたのは、リーダー格の子供。

他の子たちより少し年長で、俺の弾く音をいちばん熱心に聞いてくれた子だ。



彼はその場にとどまって、見送ってくれる。

きっと大人に問い詰められたら、俺に有利な証言をしてくれるんだろう。



ふと横を見ると、10人くらいの子供たちが一緒についてきていた。

バリケードになってくれているつもりなのか、と気づいて、心が温まった。



「早く!こっちだよヒロ!」

「そっちは見張りがいるからダメ!」

「チャマ!」

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