第7話
もそもそと朝食を胃に収めていると、空気の動きが感じられた。
テレパス感覚を研ぎ澄ますと、子供たちがかくれんぼをしている様子が流れ込んでくる。
声が聞こえるわけじゃないけど、さすがに半年もこの生活を続けていれば、何となく第六感的なコツが身につくわけで。
人間の潜在能力って偉大だね。
「ヒロ!」
子供の一人が、俺の檻の前に走ってきた。
どうしたの、と聞くと、「おひさまが変な色~!」と騒ぐ。
…テレパシーで。
騒ぐのくらい声に出してくれればいいのに、と思う反面、結構気をゆるしてもらってるのかな、という小さな満足感もある。
かくれんぼの最中なんだから、こんなとこで油売ってちゃダメだよ。
確かに今日のおひさまは変な色だけど、べつに光に異常はないよ。
そう伝えても、なかなか俺から離れたがらない。
正直、カワイイ。
でも、以前もこういうことがあった。
その子はかくれんぼが終わったことにも気づかずに、俺のそばに居続けた。
あの時は確か、俺がカレンダーの読み方を教えていたんだっけ。
週や曜日、年月の概念を一から説明するのは大変だったが、どうやら理解してもらえたようだった。
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