第6話
そこで目が覚めた。
今日の夢は、こうして檻の中に閉じ込められるようになってから何度も見ている、ある意味定番の内容だった。
とてもとても、現実的な夢。
夢の中ぐらい、誰か出てきてほしかったけどな…
「ヒロ」
起きてしばらくすると、子供が食事を運んでくる。
あんまり食欲はないけれど、ありがとう、と答える。
監禁生活が始まってから、もう半年以上になるだろうか。
いちおう筆記用具はあるので(子供たちに頼んだらどっかから持ってきてくれた)、カレンダーを作ってみた。
季節は確実に移り変わっている。
ただ、曜日の感覚があいまいだけど。
テレビやラジオは、出演者も放送者もいなければ、ただの箱。
これは何?と子供たちに聞かれても、映像も音声も出ないシロモノについては、説明のしようがなかった。
そこで、とりあえず地球のことについて話してみた。
動植物などの自然関係についてはある程度知識があるようだったので、主に話したのは、人類のおおまかな歴史、暦や時計の読み方、服や靴について…
そして、音楽や書物について。
なくても生きてはいける、でも、あれば人間の心に光をもたらすものについて。
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