時への誓い~side増~
第5話
遠くで、光が揺れた。
―――ゆらゆら
―――ゆらり
わけもわからないまま短時間でみんなと一緒に死ぬのと、周囲の人が死に絶えていくのをゆっくり見ているのと、どっちがいい?
“地球の浄化”が済んでからも俺が生き延びているのは、そんな不幸な幸運の果て。
その後は、生きてはいるけれど、一人ぼっちで檻の中にいる。
ここは、俺一人の空間。
檻のなか。
元々は刑務所だと思う。
ただ、詳しい場所まではちょっと…たぶん日本かなぁということしかわからないけど。
人類のほとんどが死に絶えた今、その“わずかな生き残り”をこういう所に閉じ込めておくのは、侵略者として正しい選択だろう。
ただ、ここには“他の人間”がいない。
俺と一緒にいた3人の仲間も、その他の人間も、誰一人として。
突然、ライトで照らされた。
その瞬間は暖かいのに、ぞくっと寒気が走る。
光の向こうに誰かいるけれど、俺には見えない。
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