第26話
升「結局、俺たちは究極的には利己主義なんだ。もちろん教祖の側近だし、幹部だし、会と信者のために動かなきゃいけないのは当然だけど」
増「そーいうこと。藤くん個人のことを第一に考えられる人間でなきゃ、側近として失格でしょ」
升「失格というか、それが最大の条件だな。一人の人間として、藤原を大切に思えるってのがさ」
増「でまぁ、めでたくそんな側近の仲間入りを果たしたのが、直井くんだったわけですよ」
升「なかなかこんなヤツはいないよ。普通の信者にとって、藤原はやっぱり“教祖様”だもん」
増「だから…手放せないんだよね」
升「そ。一度くらいの裏切りで切るなんて、そんなもったいない真似は出来ない」
増「どうチャマ?俺たち、甘いかな?」
直『全然甘くない…むしろ厳しいってか…怖い』
升「よし。そういう気持ちがあればOK」
増「これからもよろしく!覚悟しろよ、逃がさないかんな!」
そうして、3人揃って俺を見る。
その時、生まれて初めて、俺は腑に落ちた。
ここが、俺の居場所なんだ…と。
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