第6話

藤「あいつは升秀夫っての。覚えてない?」

直『升。ます…あ!秀ちゃん!?』

藤「そう、それ」

直『そっか!思い出した!』








この日から、俺の側近は3人になった。

チャマはすぐ俺たちと打ち解けて、よく4人で笑い合うようになった。



彼は小学校3年の途中で引っ越したが、どうやらそれは隣町だったらしい。

だからそんなに離れてた感じはしないと言っていた。


肝心の“なぜ選挙なんかに出たのか”だが、これも拍子抜けするほど簡単な理由だった。

升や増川の家と似たようなもので、親戚の付き合いでとりあえず信者になったんだと。

で、その親戚の差し金だって。


“団体のなかで出世しなさい!”っていうおばさんに無理矢理出馬させられたんだとさ。

まぁ、結果的に教祖の側近に選ばれたんだから、そのおばさんも納得してるだろう。

…やっぱりちょっとシャクではあるが…。

大人って汚いよなー。

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