第4話

藤「ねみー…」

升「ほら、起きろってば!藤原!」

藤「ZZzzz…」

升「仕方ないな―――(バキッ)」

藤「……、起きました」



あぶない。升が暴力に訴えようとしている(ふりをしている)。

いやまぁ、うっかり控え室で爆睡しかけた俺が悪いんだけどさ。

なんでこんなに眠いかって、そもそも昨日徹夜でスタジオ入ってたからじゃん!

そしてそのバンドの言い出しっぺは升じゃん!



升「言いたいことはそれだけか、プリンス」

藤「すみません」



バンドはいいんだけどさ、なんでベースだけ打ち込みなんだよ。

3人しかいないんなら、ドラムとベースとボーカル&ギターってのが最少構成員数じゃないのかね。



増「教祖~、そろそろ出番だよ」

藤「うぃ」



増川の先導。真ん中が俺で、しんがりは升。

いつもの3人で舞台に出ると、歓声が起こった。

俺は人気者だ。

訂正。教祖は人気者だ。

なにしろあの祖母の孫なのだから。





ニコルが、今も俺をじっと見ている。

見守っているのか、監視しているのか。

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