第42話 三好三人衆迫る
冬の寒さが京の街を包み込み、緊張感が一層高まっていた。
信長が京を離れた今、宗則は京の防衛を任され、義昭と共にその準備を進める中で、深まる緊張感を感じ取っていた。
三好長逸、三好康長、岩成友通が集まり、熟練した表情で義昭打倒の計画を練っていた。
彼らは義昭を操り人形と見なし、信長の庇護を受けているが、その隙を突いて京を奪取しようと決意を固めていた。
「義昭はただの象徴であり、実権は信長にある。我々が京を握り、三好の名誉と威信を取り戻すのだ」
三好長逸が冷静に口火を切る。
「信長の軍が去った今が好機だ。精巧な計画を立て、義昭を打倒するのだ。」
三好康長が力強く応じる。
岩成友通もまた、無言で頷き、共にその時を待ち続けた。三好三人衆の瞳には鋭い決意が宿っていた。
三好三人衆は着実に準備を進め、援軍の招集を行っていた。
彼らは四国や大阪からの兵を集め、京都への攻撃を計画していた。
「兵を集め、京を包囲する。一刻の猶予も許されん」
三好長逸の号令が響く中、兵士たちは迅速に動き出した。
列京の中で、宗則と兵士たちはその不穏な動きに対抗するための準備を進めていた。
市中の巡回を強化し、敵が侵入する経路を完全に封鎖することを心がけていた。
宗則は冷静かつ迅速に指示を出していった。
「夜の巡回を強化し、敵の動きを確実に把握せよ。私を信じろ、我々が京を守り抜くのだ。」
宗則の声が寒風に乗り、兵士たちの心に響いた。
宗則は星空を見上げながら、陰陽道の知識と直感を駆使して敵の動向を感じ取ろうとしていた。
寒さが鋭く肌を刺す夜、彼の心には使命感と覚悟が燃えていた。
「信長様、義昭様のお力を借りながら、戦乱の世を生き抜き、平和な世の到来を願うため、全力を尽くします。」
宗則の心には強い覚悟が宿っていた。
義昭もまた、防衛の緊張感を肌で感じていた。
彼は純粋な気持ちで宗則に信頼を寄せ、共に京を守り抜く決意を固めていた。
「宗則、この京の行く末はお前に託すぞ。私は御父殿の信頼を裏切らないよう、お前を見守り、支えるつもりだ。」
義昭は心の中で強く願い続けていた。
三好三人衆とその軍勢が徐々に京へと迫り、義昭を打倒する瞬間を待ち構えていた。
彼らの影が京の闇に紛れ込み、その一挙手一投足が刻一刻と京の命運を脅かしている。
「義昭を打倒し、京を手中に収めるのだ!油断は禁物、計画通りに進めよ!」
三好長逸の声が闇夜に響き渡り、その決意が軍勢に伝わった。
宗則は兵士たちに最終指示を出し、防衛の準備を完了させた。
「皆、私を信じろ。敵を撃退し、京を守り抜くのだ。全力を尽くせ!」
冷たい風が京の街を吹き抜ける夜、宗則と義昭、兵士たちの強い決意が胸に輝き、迎撃の刻が迫っていた。
彼らの運命は、間もなく訪れる試練によって決せられる。
続く
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